院長の週末                                   

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オオサンショウウオの卵!    8月31日(日)
NHKの反響
NHKの取材             8月25日(日)
倉敷市立自然史博物館からご来館  8月18日(日)
奈良公園 燈火会        8月14日(水)
コウモリとサンショウウオ    8月10日(土)
ヒナコウモリのカウントと再捕獲 8月3−4日、8日
ヒナコウモリのバンディング   7月29日(月)
廃坑その2             7月28日(日)
廃坑その1             7月27日(土)
何もない週末           7月21日(日)
アオちゃんの放鳥        7月6日(土)
キクガシラの繁殖コロニー   7月6日(土)




オオサンショウウオの卵!
2002年8月31日(日)


産卵時期なので兵庫県某市の人口巣穴を見に行きました。河川の改修の時に塩ビ管を埋設して巣穴としてオオサンショウウオに利用させているところです。
1カ所にオオサンショウウオが顔を出しており中を探ると卵塊がありました。その卵塊を♂が春まで守っているのです。カエルの卵みたいですがすごく大きい粒でした。近くの天然巣穴でも産卵(卵塊)を確認しました。なお、オオサンショウウオの調査には許可が必要ですのでご注意願います。もちろん見るのは勝手ですがさわったらいけないことになっています。
天然記念物は環境省ではなく、文化庁の管轄で調査は現状変更届、みたいなことになるらしいです。
ここでマムシを採集しました。

人工巣穴と出てきた卵塊。

天然巣穴の卵塊。 かわいい手。



NHKの反響

ご近所から”テレビ見ました”、が2,3件、患者さんから言われたのが(今のところ)数件でした。電話が1本。コウモリ屋さんに相談が一番多い、アブラコウモリの”苦情”でした。屋根裏に60頭以上のコウモリが住み着き、ウンコで困っているというのです。ヒナコウモリの出洞の映像が流れたのでそれと同じと思ったのでしょう。

アブラコウモリが60頭も1軒に住み着くのは珍しい、ひょっとするとヒナコウモリかと思い詳しく聞いたのですがサイズとか色あいはアブラコウモリでした。近ければ見に行きたいのですが兵庫県小野市でちょっと行く気になれず。興味深かったのは瓦の隙間から入り、屋根裏ではなく外壁の内側に生息しているので捕まえられない、との話でした。私自身アブラコウモリには全くの素人ですのでヒナコウモリと一緒やなあと思いました。

青森県の神社では明らかに屋根裏なんですが、都会では外壁の裏なんですね。頭数についてはほんとにそれだけいるのかどうかはっきりとはわかりませんでした。
ちなみに私の回答は”しょうないですなあ”ぐらいでした。夜間、コウモリが出て行ってから隙間にフタをするしかないと思います。



NHKの取材
2002年8月25日(日)


私のHPのコウモリを見て、取材の申し込みがありました。調査しているところを撮影できないか、ということでした。
基本的に廃坑の場合は所有者の合意が得られるかどうかわからないこと、コウモリに強いライトは禁物なので洞穴のコウモリの動く映像は難しい、ということで今までは別のテレビ局から2,3電話がありましたがお断りしていました。
今回は調査の様子が主体ですし、ヒナコウモリ、アブラコウモリも兼ねて紹介、ということでしたのでまあ、今の季節なら起こしてもそうそう問題はないと判断して取材を受けました。いつもの調査と格別違ったやり方をするわけでもないですし。

ユビナガコウモリが多数生息する穴へ行ってみました。期待通り100を越えるコロニー、入るなりみんな飛び出し、一部、のんきに寝ていた子を捕獲してバンディングしました。再捕獲もいくつかありましたがみんなここの子でした。

さて、撮影はどうだったんでしょうね。
懐中電灯をつけて網を振り回しているので専門家から文句が来るかもしれません。
放映は近日中、日時は恥ずかしいのでカット。

って書いたら教えろ、とのおしかりが来ました。あんまり書きたくないけど、
8月29日の夕方6時30分過ぎ、町の話題みたいなところで大阪支局発、ということで放映するらしいです。
幸か不幸か、近畿だけみたいです。その後、衛星放送でも放送、との話もあったのでいずれ全国にも流れるのかなあ。
わかれば正直に白状します。

*衛生(じゃない、衛星)第1で4日午後4時から、日本列島ふるさと発という番組で流れるそうです。
 と思ったら都市対抗野球かなんかが入って10日に延期されたそうな。

また、翌日、病院に来られて病院の中から外まで撮影されていきました。
ちょうど患者さんがとぎれたところで診療風景は撮れず、シーナの子供にワクチンを打っているところを撮影しました。

帰り、午前11時なのにアブラコウモリが川面をヒラヒラ飛んでいます。まだ夏なのに時間の感覚のずれた子ですねえ。冬の暖かい日に陽気に誘われて、というのならわかりますが。

800万円のハイビジョンカメラ!だそうです。
そちらに驚いてコウモリは写真を取り忘れました。



倉敷市立自然史博物館からご来館
2002年8月18日(日)

倉敷市立自然史博物館友の会から約50名の方が来られ、こちらの友の会会員としてお迎えし、館の案内をさせていただきました。といっても、ほとんどは学芸員の方にお任せし、後ろからついて歩いただけですが。
片道3時間、バスにゆられてお疲れさまでした。
聞けば、当初は青春18切符で計画されたとか。そのバイタリティーに脱帽です。
学芸員4名の”こじんまりした”博物館とのこと、その分、友の会メンバーが精力的に観察会や調査をされているらしいです。その点でも、こちらの大阪市立自然史博物館友の会も見習いたいところです。



奈良公園 燈火会
2002年8月14日(水)


帰省ついでに奈良公園の燈火会なるものを見てきました。奈良公園一帯でローソク等の明かりによるイベントが数年前より行われています。
じっくり散策すればよさそうでしたが、時間の都合で早足と車で見て回りました。
15日は大仏殿万燈供養や送り火があるのですごい人出になるのでしょうね。

浮見堂。
SONY DSC−F707 での撮影。
ナイトショット(赤外線撮影)と通常撮影。




コウモリとサンショウウオ
2002年8月10日(土)


ヒナコウモリとオオサンショウウオの2本立て。
ヒナコウモリの出洞を堺で調査してから能勢まで移動というハードなスケジュールでした。
コウモリは7時30分までに3頭、8時までに24頭のみ。ピーク時は一気に150頭ぐらい出て、それはそれはにぎやかで(ヒナコウモリの声は可聴域に近く、声が聞こえる。)壮観でしたが3頭では迫力がありません。分散の時期がいよいよ近いようです。

すぐに能勢へ移動し、久しぶりのオオサンショウウオでした。
することはいつもと同じ、測定と記録です。

イシガメは山中の渓流に多い。 移動中のサンショウウオ。

総排泄腔が大きい。たぶん♂。




ヒナコウモリのカウントと再捕獲
2002年8月3−4日、8日


7月21日もご参照下さい。
特に予定もなく、タヌキとアオバズクと戯れ、夕方、蚊に刺されながらのコウモリ出洞観察です。
ちなみに最大出洞数は272頭、最低は55頭、少しずつ減少傾向で盆過ぎにはいなくなる予定。


8日は再捕獲に挑戦。
ヒナコウモリをご覧下さい。



ヒナコウモリのバンディング
2002年7月29日(月)


堺市に突然やってきた、ヒナコウモリのバンディングを行いました。
総数137頭を捕獲しました。
詳細は ヒナコウモリ全記録 をご覧下さい。




廃坑その2
2002年7月28日(日)


キクガシラコウモリが繁殖する2カ所を一度に回ってきました。6,7月生まれの新生児が大きくなり飛ぶ頃のはずです。
最初の穴では予想通り、大きさはほぼ親と同じになっていました。また、飛ぶのですがヒラヒラと危なっかしい飛び方でした。
2カ所目の穴は山を少し登ります。
数カ所の穴があり、1カ所はいつも水没しています。そこにマムシが寝ていました。捕まえましたが売りに行くところも知らないし、標本は以前にもここで採集しているのでパス、逃がすことにしました。ここのジムグリは病院で飼育していますがマムシはペットには不向きでしょう。

コウモリは予想通り150−200頭近いコロニーがありました。
観察しているうちにみんなバラバラと飛んでいってしまいました。逃げ遅れた20頭ほどにバンディングしましたが、やや気温が低いからか、幼若なのが多かったようにも思います。

ちなみにここは外気温31度、内部は20度でした。

私も命拾い、マムシも命拾い? 見にくいけどコウモリの親子





廃坑その1
2002年7月27日(土)


コウモリ3連発の1日目。
大阪でユビナガコウモリが生息する唯一の穴です。多いときは200頭を越えるコウモリがいるのですがこの季節はたいてい、いません。この頃穴から遠ざかっているのである意味ではいないことの確認に行って来ました。

最近特に雨が多いようには思いませんが穴に入ってみると水没しています。以前、長靴が水没するほど水が多かったときもあるのですが今回は長靴半分程度でなんとか調査は出来ました。キクガシラコウモリ3つが飛び、バンド付きのユビナガコウモリを一つだけ発見しました。とりあえず網にユビナガコウモリを捕獲、約250mほどの廃坑を往復し、外に出て測定しようと網を見るとコウモリがいません。大きな穴が一つ出来ていました。

腰を曲げて歩くのに精一杯で、逃げた事には気が付きませんでした。再捕獲でしたのに残念。

ちなみに外気温33.6度、内部は18.3度でした。

夕方からは最近見つかった”大阪の謎のコウモリ”の出洞を観察しました。約150頭出洞、実は3連発の最終日はこのコウモリの捕獲、バンディングです。

山の穴とアミの穴






何もない週末
2002年7月21日(日)


週末の院長ファンの皆様(あるいはあなただけ)、ごめんなさい。(いつも同じフレーズですね。)
せっかくの連休ですが雑用に追われてフィールドには行けませんでした。

20日に友人よりアオバズクのヒナを預かり、アブラコウモリ、アオバズク、ドバトの食事の世話、タヌキの遊び相手で1日が終わり、夕方は堺市のヒナコウモリの出洞調査(出洞数のカウント)で締めくくりでした。
ヒナコウモリの全頭捕獲、バンディングの準備もはじめました。
手持ちのバンドが150ほどしかなく、コウモリは200弱。
少しずつ付けているうちは金銭感覚がありませんでしたが、原価計算では一つ40円。6000円が大空に飛んでいきます。一つぐらいは帰ってきて欲しいなあ。(要するにどこかで再捕獲してもらわないとバンディングの意味がない。)

それぞれ近日中に野鳥カルテ2002年7−8月で紹介します。
しばし、お待ち下さい。




アオちゃんの放鳥
2002年7月6日(土)


5月20日に保護されたアオバズクを放鳥しました。
本来は昆虫食ですがカブトムシを毎日食べさせるわけにもいかず、毎日ピンキー(ピンクマウス、マウスの赤子の冷凍物)や牛レバー、鶏肉を朝晩強制給餌していました。最近はくちばしに挟めば飲み込むようにはなっていましたが自分で食べることはありませんでした。

時々右目を閉じ、眼帯等で確認した範囲では見えていないような気もしましたが、これ以上の改善は難しいと判断しました。
本来は救護された場所で放鳥するのが筋ですが渡り鳥ですし、自然の多い北摂で放鳥しました。放してすぐに自由に、枝から枝へ上手に飛び回っていたので安心しました。



キクガシラコウモリの繁殖コロニー
2002年7月6日(土)


大阪唯一のキクガシラコウモリの繁殖地を調査してきました。
大きな廃坑で年間を通じてキクガシラコウモリが生息しています。通常は昼間に入って寝ているコウモリにバンディングするのですが繁殖が確実ですのでディスターブしないよう、夜間、親が出払うのを確認してから坑内に入り赤ん坊の観察をするのです。

日暮れ前に入り口へ到着、夜食を食べつつ親の出洞を待ちました。7時過ぎからコウモリが飛ぶのを確認しました。最初は様子をうかがうように入り口付近で引き返したり、いったん出てから戻ったりしています。時間の経過とともに飛び出す数が増え、数を数えられないほど暗くなった8時前に動きがなくなったので洞穴に入りました。

予定通り赤ん坊のコロニーを発見、記録を取った後に早々に退散しました。専門家の話では小さなコウモリでもバンディング可能とおっしゃってましたが、あまりにも小さいのでかわいそうで少し大きめの、群から離れて止まっていた3頭にのみバンドを付けました。

ちなみに子供の数は97頭、洞穴から出ていったコウモリの数は181頭でした。

夜の廃坑はいつもより、いっそう暗い感じがします。そんなはずはないんでしょうけど。ヘッドライトをつけて山を下りるのも気持ち悪いもんです。イノシシやシカに出会わないかと心配(というか、期待というか)します。何回も通っているのに降りる位置を間違ってしまいました。