院長の週末                                     


2001年 9−12
2002年 1−2 3−4 5−6 7−8 9−10 11−12
2003年 1−2 3−4 5−6 7−8 9−10 11−12
2004年 1−2 3−4 5−6 7−8 9−10 11−12
2005年 1−2 3−4 5−6 7−8 9−10 11−12







カワウのねぐら               12月30日(日)
ユリカモメとハクセキレイのねぐら    12月30日(土)
カワウの観察会 伊丹市昆陽池    12月23日(日
やっぱり コウモリ            12月22日(土)
コウモリとサンショウウオ         12月15日(土)
ユリカモメのバンディング         12月9日(日)
穴をたずねて三千里           12月2日(日)
川西のコウモリとオオサンショウウオ 11月24日(土)
男里川河口のカモメと岸和田のカモメ 11月18日(日)
びわこ虫 蚊柱観察会          11月17日(土)
臨空タウン 動物フェスティバル     11月11日(日)
兵庫県立人と自然の博物館       11月4日(日)
能勢町廃坑定期調査           11月3日(土)
新穴発見                   10月27日(土)
コウモリバンディング            10月27日(土)
余野川オオサンショウウオ調査     10月27日(土)
剥製実習                  10月28日(日)
池田市秦野鉱山               10月14日(日)
豊能郡豊能町 桐山鉱山         10月14日(日)

大萱原鉱山                 10月13日(土)
***廃坑                  10月13日(土)
天王川 オオサンショウウオ調査   10月13日(土)
京都大学 にて 日本鳥学会      10月6−8日
浜寺公園                  9月16日




カワウのねぐら
2001年12月30日(日)

*不法侵入に近い場所ですし、観察がカワウのねぐら放棄につながるおそれがあるので詳しい場所は伏せました。(2002年1月2日改稿)

カワウのねぐらがあると聞いていたので見に行ってきました。
聞いていた場所がわからず、しばらく行ったり来たりを繰り返し、最終的に見つけた場所は工場の裏手で、どこから入るのかわかりませんでした。なんとか防波堤への道を見つけ、見渡してみると遙か向こうの、海に突きだした荷揚げ用の鉄骨の骨組みにいっぱいいるようでした。
正月休みのためか、工場に人影もなかったのでよかったけど、工場操業中はたぶん入れないでしょう。

鉄骨の上にいたカワウが私に驚いたのか、一斉に飛び立ちました。ドサッ、と音がして、見てみると下にカワウが落ちていました。浅い溝に入り、私の顔を見るなり(?)魚をもどしました。コノシロたくさんとイワシ2,3。少し歩いて逃げましたが飛べずに、私を見て威嚇してガーガー鳴いていました。魚食の鳥はうんこがすごく臭いし、もどした量も中途半端やないのでもって帰ってもこれだけ多食やと飼うのも大変やなあ、と思いながら、帰りに連れて帰ろうと思いとりあえずそのままにしました。
飛べないのにどうやってこれだけの魚を捕ったのかも不思議でした。

一斉に飛んだカワウ。隣に引っ越した。 落ちたカワウ 上2つがイワシ、残りはコノシロみたい。

骨組みは2カ所あり、上流側の方が規模が大きく、多数いました。不思議に一定間隔で止まってるようにも思えました。ちょうど、賀茂川のアベックの分布みたいに(といっても見たことはないのですが)。総数400羽ぐらい。寒いのであんまりまじめにはカウントしませんでした。

帰りに飛べないカワウを探しましたが居ず。おそらく飛んだのでしょう。うれしいような残念なような。保護鳥の救護成績を上げるには元気な鳥を保護するのが一番ですので、飛べるのなら早めに捕まえた方が良かったかなあ。

点々と見えるのがみんなカワウ。 等間隔に並んでると思いませんか?





ユリカモメとハクセキレイのねぐら
2001年12月30日(土)

1月に予定している大阪鳥類研究グループの観察会のネタに大和川のハクセキレイを使えるかどうか、下見に行ってきました。
大和川に着いたのが午後4時、直後ぐらいからユリカモメが海へ帰りだしました。大きな時は300羽ぐらいの群れで編隊を組んで直接河口へ、あるいは川の上で旋回しながら上昇した後に海へ向かっていました。約1時間でみんな海へ行きました。総数、おおざっぱな推定で3000羽ほどでした。

肝心のハクセキレイ、暗くなってもあまり姿がなく心配していましたが、よく見るとかなりの頭数がすでに橋の裏に入り込んでいるようでした。
ツバメのねぐら入りは、みんな落ち着くまでヨシの上を飛び回るので結構にぎやかなんですが、ハクセキレイはあまりにも静かなため気が付きませんでした。また、今回は堺市側から見ていましたが大阪市側からの方がよく見えそうです。
とりあえずは行事に使えそうで一安心でした。行事本番は26日の夕方ですので興味がある方はいらして下さい。

4時過ぎの大和川中州 ゴミみたいのがユリカモメ。この橋
(阪堺大橋)にハクセキレイのねぐら。
河口で釣れていた80cmのコイ。
10kgぐらいあるそうな。





カワウの観察会 伊丹市昆陽池
2001年12月23日(日)

大阪鳥類研究グループで伊丹市の昆陽池、すなわち伊丹昆虫館があるところ、大阪空港から飛び立ってすぐに下に見える、日本地図の形の島がある池の観察に行って来ました。2.3年前から中の島にカワウが大量に住み着き、繁殖するようになったのでその観察と、夕方、散っていたカワウが帰ってくるのの観察です。

休日ですが継続診療を数件治療し(たまには院長もまじめに仕事!?)池に着いたのが3時前でした。
ここはとにかくすごい状態です。フェンスを挟んでこちらはパンとスナック菓子をまく人の群、あちらはそれをもらうカモ、ハクチョウ、ユリカモメの群。おまけに今回はヌートリアがそれに加わっていました。ヌートリアは大きいのと子供2つを確認しました。地元の人の話では数頭子供がいるらしいです。まさに動物園状態で目の前で餌をもらっています。うわさでは聞いていましたがあんなになれているとは。

見たとおりの状態。左が親、右が子供です。芝を食べるらしいです。 一面、カワウなんですがわかりませんね。


本来、外来種なので駆除の対象にもなりかねませんがあれだけ市民権を得ていると駆除もむつかしいでしょうね。まあ、ここもいわば閉鎖空間なので大繁殖して問題になることも無いのでしょうか。

肝心のカワウ、遅刻組の私はまじめにカウントしませんでしたがお昼の時点で中州に約600羽いたそうです。3時30分頃からボツボツ主に南側から帰って来、最大では約100羽近い群で帰ってきました。担当者によると合計1600羽帰ってきたそうです。トータルでは2000羽以上、ここで寝るみたい。

大昔はカワウは数を減らした時期があり、巣の場所も限られていました。最近、急にあちこちでカワウが繁殖しだしてあちこちで問題が起こっています。各自治体、追い出すのにやっきになっています。噂ではここも追い出す方向で、あるいは繁殖はさせない方向で検討しているとか。大阪近郊では岸和田にもカワウのコロニーがあるようです。

輪になって採餌するハシビロガモ 雁とよく間違われる編隊飛行



2001年12月22日(土)
やっぱり コウモリ

**のコウモリ。ここは私のコウモリはじめの穴で、いつも多数のコウモリがいる貴重な穴です。12月の記録がなかったので調査してきました。
車で行く途中、小雨が山の中でみぞれに変わりました。それも一時的で、山の中では寒いけれども雪にはなりませんでした。

前回は坑道が水没し、苦労しましたが今回は前の沢にも水はなく、坑道も乾燥気味でした。約15m、まだ出口が確認できるところでテングコウモリを複数確認しました。本来テングコウモリは樹洞性コウモリとされていますが冬は洞穴で結構見つかります。見つかる場所はいつも入り口付近。この日のケースでは外気温4.5℃、テングコウモリの寝ている場所は7℃でした。

テングは金色の毛でけむくじゃら キクガシラはこんな感じ


その少し先にキクガシラコウモリが単独でちらほら。バンド付きもちらほら。帰って確認するとすべてここでつけた個体でした。かなり奥にコキクガシラコウモリの好きな側道があり、今回も多数がぶら下がっていました。ここは側道からさらに上部に10m以上、おそらく鉱脈に沿って掘りあげられており、複雑な構造になっています。腐りかけの木が何カ所か足場状に組まれています。以前、ここのコキクの捕獲と坑道の構造を調べようと思い登ったことがあります。登りはよかったけど怖くなって降りようとするとほぼ垂直に5m近く登っており、足下が暗くて降りる足場がわかりません。横に渡してある木なんて信用できないし、しばらく固まっていたことがあります。無理は禁物ですね。

最奥部は14.4℃ありました。

坑道に獣の足跡があり、前から気になっていました。ここはハクビシンを見つけた穴でもあり、最初はハクビシンの足跡だと思っていました。でもよく見ると足の裏と指が連続しているし、大きさも大きく、どうもアライグマのようです。実は以前に近くの沢で友人は本体、私は足跡だけ確認したことがあるのです。同じ個体なのか、別個体か。別個体とするとそれだけ多数アライグマがいるということでしょうか。
後日、自然史博物館のMLで伺ったところ、ここから2kmほどの所で轢死体や親子連れの目撃例があるようです。
やはり大阪でも繁殖、増加しつつあるのでしょうか。

左が後ろ足、右が前足。本物はもっときれいにみえます。ネガでも撮影していますので後日公開。

ちなみに、2001年8月に見つけた足跡。指はよく見ると5本。




2001年12月15日(土)
ワンパターンですが コウモリとサンショウウオ

コウモリ
猪名川町のコウモリを見に行くついでに付近の山の廃坑を探してきました。
尾根を越えた反対側を11月24日に見てきましたので今日はこちら側の調査。(あっち、こっちじゃわからん!。)
あちこちに抗口の痕跡、ズリ跡はありますが坑道はほとんど残っていませんでした。

2ヶ所に10mを越える坑道を見つけてキクガシラコウモリを1つ見つけました。熟睡モードでしたので捕獲、バンディングはしませんでした。

で、肝心の猪名川町のコウモリ、ここはキクガシラコウモリが繁殖し、北摂では唯一モモジロコウモリが見つかっている穴です。予定通りキクガシラ、コキクガシラ、テング、モモジロコウモリがいましたが個体数は少なく、トータル14頭。多いときは50頭以上いるのに、さて、どこへいくのでしょうか。

やっぱりこんな穴が多い テングコウモリですがどこが天狗? モモジロコウモリは腿が白いんやけど?



オオサンショウウオ
今回は調査の前にNHKの取材。一緒に調査しているN氏がサンショウウオのビデオの投稿で何回か採用され放映されているので、今回はN氏が調査、撮影している姿を撮影するとのことでした。

オオサンショウウオというとインパクトがあるのか、私が参加し始めたここ3年ほどで2回のテレビと1回の新聞取材がありました。前回は関西テレビの伸助の番組、まんだらとかなんとかいうバラエティー番組でした。初めてのことでまじめに対応していたら結局はしょせんバラエティー番組?、一つ見つけて(もちろん我々が見つけて)撮影したら、あとは川で遊ぶ姿を撮影してさっさと帰っていきました。出演者のうち、七井君だけが私や他のメンバーに丁寧にお礼を言ってくれました。あとの2名、スタッフは常識がないというか、まあ、あんなもんなんでしょうかね。

今回のNHK、あとで聞くと有名な女性アナウンサーとなぎらけんいち?の番組?。夜ですし、直接話もしなかったのでわかりませんでした。N氏とスタッフが撮影している間に私とF氏(能勢サン会の親分)、その他メンバーは寒い中、気を使って一生懸命”撮影用のオオサンショウウオ”を探していました。時期を選べばいっぱい見つかるのになんでわざわざこんな季節に来るのか、ぶつぶつ言いながら探していました。

やっと小さめのを1つ発見、スタッフに連絡しましたら、ご想像通り、撮影しやすい場所に置いて、”では、Nさん、発見者という事で見つけたところから撮影しますねー”って、寒い中探していた私たちはなんやったんやろか。まあ、結局科学番組でもなし、バラエティーに近い番組ですのであんなもんなんでしょう。

放しては捕まえ、撮影を繰り返していたらオオサンショウウオもあきれてどこかへ姿をくらましてしまいました。

寒い中撮影を見ていてもあほらしいので調査を再開、70cm級の、顔なじみを発見しました。前回、頭部に骨が露出するぐらいの傷を負っていましたがきれいに治っていました。野生とはすごいもんですねえ。

調査していると横を撮影が終わったらしく、クルーの乗ったハイヤーが通過していきました。”挨拶ぐらいしていったらどうやねん”、やっぱり受信料は払わんとこう、と思った私でした。

この日は雪!寒い中待ちぼうけ 顔なじみの子でした 橋の下にあったキイロスズメバチの巣



2001年12月9日(日)
ユリカモメのバンディング


大和川でユリカモメのバンディングがあるので行って来ました。
京都、鴨川ではかなり以前からかなりの数がバンディングされており、その足輪を各地で探しています。繁殖地のカムチャッカでも雛にバンディングされていて、極めてまれにその足輪も見つかっています。
**詳細は 自然史博物館 和田の鳥小屋 へ。**

昨年、一昨年の観察の感じでは大和川では1000頭に1頭ぐらいの発見率、大和川でバンディングしてくれれば発見率も上がるかなあ、と、期待しています。
川岸の砂地に網をセット、無双網というのだそうです。鳥が警戒するので本来はセットすればすぐに本番となるのだそうですが、若干の不安があり試しに練習してみると、不安が当たって網がうまく作動しません。最後のパタン、がうまくいかない。微妙なセッティングのノウハウがありそうです。

上流にいるユリカモメの群をパンでおびき出して網場まで誘導、やはり野生の勘か、網の位置まではなかなか入りません。なんとか捕まるかなあ、と思ったときにひもを引っ張ったら・・・
ドバトが3つ網にからんだだけ!

1回目。ドバトばっかり。カモメは警戒、降りない。 2回目。見事に網を避ける。


位置を変えてセットし直し、再挑戦。普通の鳥は一度失敗すると同じ場所では2度と捕まらないらしいですがユリカモメはアホ、ではなく、忘れやすい性格?餌の魅力?、2度目も可能とのことで、時間をおいて挑戦しました。今回はやはり1回目以上に警戒し、なかなか網の位置に入ってくれませんでしたがなんとか3つを捕獲、バンディングすることが出来ました。さらに欲を出し、3回目も試すと2つ捕れ、まあまあの成績のようでした。

時間の都合で午後からの観察会には参加しませんでしたので、先日放鳥したミネちゃんの捜索は出来ませんでした。

金属リングを付ける 各種測定中



2001年12月2日(日)
穴をたずねて三千里

またまた穴探し。
先日、博物館の学芸員の方から地質図なるもの(のコピー)をいただきました。石屋さんからもらった資料はあらかた調べ尽くし、もう新しい穴もないやろなあ、と思っていたのにそれをみるとあちこちの鉱山マークが。
もちろんすでに調べたところもありましたがそれ以外にも印があちこちあります。
廃坑はたいていブッシュに埋もれているので下草の枯れた冬が探索時期です。

豊能町駒宇佐鉱山?
地図に記載された場所あたりで年輩の地元の方に聞くと、「一つあるけど小さいでー」、と案内してくれました。行ってみると民家のすぐ裏に穴がありましたが、すでにゴミ捨て場と化していました。かなり細い穴でした。地図で言う鉱山ではないと思いましたが確認出来ず。おまけにどうも名前も違うみたい。上記鉱山名は後でもう一度出てきます。

豊能町石堂鉱山
ズリ山らしきものを見つけて登ってみると穴が3つありました。それぞれ数mで終わっていましたが糞もそこそこあり、キクガシラコウモリ1つを確認、バンディングしました。

ゴミ捨て場になってることはよくある 石堂鉱山、これもよくある入り口風景 10cm over !ヤマナメクジも越冬準備?


猪名川町笹尾
山道をさまようこと40分、台場くぬぎと炭焼きの石組みの2点セットがそろっていたのでそのあたりをさがしました。雰囲気はありましたが鉱山跡との確信は持てませんでした。
台場くぬぎはおそらく人為的な傷だらけで、枯れたクヌギはばらばらに解体されていました。
たぶんクワガタ採集でしょうがやりすぎのような感じがしますねえ。
イノシシのヌタ場がありました。

北摂ではあちこちにあります 立派な台場クヌギ ヌタ場ですがこれじゃわからんですね


宝塚市千本鉱山と駒宇佐鉱山(最初と同じ名前が付いてるけどたぶんこっちがほんま)
長谷というところにあります。資料によるとゴルフ場でなくなった、と、書いてありますが木の下に崩れかけた穴がありました。水没のため入れませんでした。付近の風景もあんまり廃坑らしくありませんでした。
穴を捜していると放し飼いの犬3頭に追いかけられてちょっと(というよりかなり)ビビリました。こういう商売をしているけどやっぱり恐い犬は恐いですわ。山の中でも放し飼いはやめましょう。
後者は全く不明。藪こぎを少ししましたがあきらめました。

猪名川町槻並鉱山
それらしい雰囲気の沢を登るとありました。細い坑道がのびていましたが天井にびっしりオオゲジ!。最近オオゲジに慣れつつあったのにあれだけの数を見せられると逆戻り。やっぱり体が拒否反応を起こし、引き返しました。
いい穴でしたが糞はほとんどありませんでした。
ズリ、石組みの堰堤、台場クヌギの3点セットがそろっていました。
廃坑の雰囲気を味わうにはいいところです。

堰堤とズリ、なんですが見にくいですね ザックの向こうが本坑、だが見にくい 細い坑道


猪名川町屏風岩鉱山
北田原、猪名川国際ゴルフ場脇にあります。あちこちに抗口の痕跡はあるけど入れる穴は1つ。かなり細くて先で縦穴につながるので最後までは行ってません。キクガシラらしい新鮮な糞はありましたが本体は確認せず。
水没や沢に開口する廃坑が多いのですがここも付近は水だらけ、ですがその水の色のすごいこと。茶色い、ヘドロ状の水がたまっています。どう考えてもゴルフ場の影響とちゃうかなあ。


ということで、本日の成果、3勝2敗2分け、てところかな。



2001年11月24日(土)
川西のコウモリとオオサンショウウオ

調査地が近くだったので、またまたコウモリとオオサンショウウオの2本立てでした。
コウモリは川西市、知明湖の近く、ここ一体は古くからの銅の産地で、奈良の大仏さんの銅もここで採られたという話があるそうです。知明湖の”ちめい”は、銅や鉛、亜鉛が産出する”きみょう”な土地なので、”きみょう”がなまって”ちめい”になったとか言う話を読んだことがあります。

オオサンショウウオを一緒に調査している方の案内で谷を上ってみるといかにも古そうな抗口がありました。川を挟んだ反対側にある廃坑と雰囲気が似ていておそらく開発時期も同じなんやろなあと思いました(たぶん江戸〜明治?)。
結構背が高く掘られていて、かがまないでも何とか歩ける坑道でした。キクガシラコウモリ6頭を発見、うち1つはここから西1kmのところで昨年にバンディングした子でした。
約200m入っても坑道が続きます。だんだん高さが低くなり、腰にこたえそうなので途中で引き返しました。調査したての頃は何が何でも最後まで入ってたんですがねえ。まあ、規模と構造から考えてキクガシラコウモリなら入るけど、他のコウモリは利用しにくいかなあ、と勝手に判断してしまいました。

中はそこそこ広かった ここから中腰100m以上 熟睡


次は数mの縦穴とそれに続く横穴、ここでも1つ確認、本当にキクガシラはどこにでもいるようです。
3つ目の穴もそこそこ立派な穴でしたが最後で深い縦穴になっていました。横の岩が崩れていて縦穴の上にかぶさるように止まっています。縦穴に入れないことはないけど、この岩がさらに崩れると立派な石棺が出来そうで入るのはやめました。グアノが大量でひょっとすると繁殖コロニーの可能性もあります。またまた用事が増えた感じ、来年の仕事が増えました。
さらに山の上部、別の谷の廃坑を数個見て昼の部のコウモリ観察会を終了しました。

やっぱり撮ってしまう顔 途中で見つけたカヤネズミの巣 夜の部のイシガメ


7時30分からはここ、知明湖の上流のサンショウウオ調査。田尻川という川です。
あまりきれいな川ではなく岩に泥も付着していて滑りやすく、昼の部で体力を使っていたので結構疲れました。おまけにオオサンショウウオも見つからず、あまり話のネタにはなりませんでした。

川岸で寝ていたカワセミを見つけたこと(夜の川では橋の下で寝ているカワガラスに会うことが多い。岩のくぼみで寝ているのに会ったこともある)、大きなギギを捕まえたら本当にギギ、って鳴いていたこと(ちなみに魚です、念のため)ぐらいが成果でした。(写真は取り損ね。)
ちなみに外気温は2℃、水温は10℃でした。




2001年11月18日(日)
男里川河口のカモメと岸和田のカモメ

大阪鳥類研究グループの観察会で関西空港の少し南側の男里川と言うところへ行って来ました。
干潟があり、水鳥で有名なところです。大阪では貴重になったハクセンシオマネキでも有名です。
昨年、今年とズグロカモメが来ています。知る人ぞ知る、結構めずらしい鳥らしいです。ユリカモメより少し小さめの、かわいいカモメでした。
1羽がテグスを口から垂らしながら飛んでいました。羽にからんで落ちれば回収できるのに、と思いつつ観察していましたが、しばらくして見えなくなりました。何かの弾みでとれたのか、場所を移動したのか。

昼過ぎまでここで観察、その後車に分乗して北上しながらカモメのたまり場を探しますと岸和田の貯木場で2000羽を越える集団を発見しました。夕方、何時に海へ帰るのか観察しようということになり車で観察、大和川なら4時頃ならみんな海へ帰るのにここの集団は宵っ張り、2,3回集団で海へ帰るのは見ましたが5時30分になっても約300羽が残っています。もうほとんど真っ暗でしたので観察を中止しました。

気になったので夕食後、7時30分にもどってみると暗やみに同じぐらいのカモメが残っていました。時々50羽ほどが飛び上がりながら集団で場所を移動していました。寝るでもなく、一晩遊んでいるのかなあ。
夜中のカモメ観察会になるとは思いませんでした。

左側(川の右岸)にカニが多い干潟がある。
右写真、はるか向こうは関西空港。


2001年11月17日(土)
びわこ虫 蚊柱観察会

博物館主催のユスリカ観察会がありました。学芸員の言葉をそのまま借りると、

◎「びわこ虫の蚊柱」
 大津では毎年11月中旬になると,体長約1センチのアカムシオオユスリカが大発生します.幼虫が汚れた水を好む大型のユスリカで,水質の悪化した琵琶湖の南湖から大量に発生しているようです.大津市民の一部では「びわこ虫」と呼ばれ,嫌われていますが,湖畔の晩秋の風物詩にもなっています.びわこ虫の竜巻のような巨大な蚊柱がたつようすを観察しましょう.また,ユスリカが色や音を目印に集まっていることを実験でたしかめましょう.

ということでしたが今年は極端に発生が少ない年らしく、また、風が強く、期待したほどの蚊柱は立ちませんでした。
また、発生数が少ないせいか、メスを集めてオスを誘引する実験やテープレコーダーにある周波数の音を録音してユスリカを集める実験はも一つでした。

いろんな色の板を用意し誘引する実験では、銀紙の上に集まることは確認できました。銀紙を持って動くと蚊柱も動くのはおもしろかったです。

ミシガン号、でしたっけ? 壁に付いていたドロバチの巣


2001年11月11日(日)
臨空タウン 動物フェスティバル

毎年、この時期に動物フェスティバルというのを行っています。
内情をバラせば、大阪府獣医師会(大阪市獣医師会は別組織)の支部が持ち回りで行事を担当(9支部かな、たぶん)、各支部がそれぞれ独自色を出した行事、あるいはありきたりの行事を行っています。
今年はいきさつは詳しくは知りませんがとにかくここで行いました。

向かいのフリーマーケット、南のアウトレットの店はけっこうな人出でしたがこちらはさっぱり。
会場の7−8割は身内?。





にぎわっていたのは犬、猫の里親探し。といっても、”ふれあい動物園”と化し、フリーマーケット帰りの家族連れが遊びに来ている感じでした。
最終的には小犬の半分、子猫の2,3割が新しい保護者を見つけたようです。

麻薬犬、警察犬、盲導犬、ありきたりですがおもしろかったです。
家庭犬の訓練、理屈はわかるのですがねえ。

盛り上がる、というより盛り下がってたなあ。
個人的には久しぶりに会った友達も多かったんで時間つぶしにもなりましたが。




2001年11月4日(日)
兵庫県立人と自然の博物館

ひとはくフェスティバルというのがここ、三田の博物館であり、”となりの博物館”という企画での出店を、大阪市立自然史博物館友の会として出店、それの手伝いに行ってきました。手伝いというより無料で博物館に入れ、裏方見学もある、という面の方が大きかったかもしれません。

ここの博物館は姫路工業大学の1組織として運営されているという面もあり、スタッフの数も施設の大きさも大阪よりずっと大きいようでした。裏方見学で収蔵庫も見せていただきました。2階建てで、スライド式収蔵棚もあり、大阪も今年新しい収蔵庫が出来ましたがそれよりも大きいんとちゃうかなあ。標本は増えることはあっても減ることはないのであれぐらいの施設を最初から作っておけばあと何年かは安心、ということでしょうか。逆に言えば大阪は先見の目がなかった?予算がなかった?。

博物館の展示はまじめに見る時間がなかったのでコメントは省略。展示スペースもとにかく広かったです。

肝心の売れ行き、さて、いくらあったんでしょう。自然観察地図とか学芸員謹製の観察図鑑や特別展解説書などおもしろそうな本をいっぱい持っていったのに売れるのは150円のバッジ、磁石でくっつくぬいぐるみなど。博物館を目当てに来るんじゃなく、フリーマーケットに来る人が多いのかな。人件費と交通費を考えないでいいのでまあ、こんなもの、ということでしょう。



となりの博物館、大阪市立自然史博物館のとなりの、伊丹市昆虫館の出品物(もちろん非売品)

ニジイロクワガタ  黄金色 葉を食べるキアゲハのぬいぐるみ



2001年11月3日(土)
能勢町廃坑定期調査

定期的にバンディング調査をしている廃坑です。
朝から結構な量の雨。調査中は穴の中なので濡れることはないですが、ここは道のない斜面を登らないと行けないので、それまでの山中が大変です。

今回は自然史博物館の地質、化石屋さんのT学芸員と、評議員で虫屋さんのHさんにも来ていただきました。
植林の中は下草もなく、傘をさして登りましたが途中からはブッシュの中、ドロドロになりながら登り、穴の中でまず食事。入り口付近で弁当を食べましたが上を見ると天井がやけに広い。Tさんの話では入り口付近は落盤しやすく、ここも石が落ちて天井が広がったんでしょう、とのこと、じっくり見ると恐ろしいところです。

私達、コウモリ屋は捕獲とバンディング、虫屋さんは地面の石起こし(石の下に5mmほどのチビゴミムシというのが生息する)、化石屋さんは巻き尺とコンパスで洞内地図を書いて下さっています。コウモリは予定通り多数生息しており、再捕獲もいくつかありました。残念ながら遠くからの移動個体はいませんでした。

今回の目的の一つに出口の発見、というのがありました。大きな出口ならもちろん顔を出せばいいのですが、小さな穴が垂直5mほど上に開いているのです。いつもここからコウモリが出ていくので、これからは調査前に先回りしてフタをしようかと思っているのです。今までも何回か、構内図を頭の中に入れて外から探索を試みましたが見つからなかったのです。

今回は防犯ブザーをスタッフの女性から借り、これを穴の下でならして音を探す作戦です。化石屋さんが書いた地図と方角から考えられる出口は、私達の予想とずいぶんかけ離れていた上に、すごい斜面と草木で歩くこともできませんでした。そのうち予想していたあたりからブザーの音、思わず走ってしまいました(ついでにズルっとこけたりして)。

コキクガシラコウモリも少数いましたが捕獲は出来ませんでした。

(クリックすると拡大されます)

ちょっとピンボケ 棒に付けた防犯ブザー、すごい音! 飛ぶコウモリとその拡大 出口


バンディング時1頭が急死(解剖しても原因不明、残念ながら標本にしました。→ ”コウモリの標本作り” )、1頭後肢骨折により連れて帰り、治療しましたが残念ながら死亡しました。

2頭も事故に遭わせ、大反省。これからは十分気を付けます。



2001年10月27日(土)
新穴発見

前回に引き続き、サンショウウオ絡みで夕方からの調査でしたが、集合時間よりかなり早く着いてしまったので”山に”入ってみました。ここは後述の本命の穴の裏になりますが、廃坑の痕跡があちこち見られる所です。かなり古い鉱山でほとんどは痕跡のみですが小さな穴もいくつかは見つけています。今回は別の谷に入ってみました。そこにもあちこち坑口があり、キクガシラコウモリを1つ見つけました。
草木の生えないズリ山もいくつかありました。


     こんな穴があちこちにある。



2001年10月27日(土)
コウモリバンディング


キクガシラコウモリの繁殖が確認されている**町の**の**。北摂で唯一モモジロコウモリも見つかる穴です。
繁殖にのみ利用していると思われたコンクリートの穴に数頭のキクガシラがぶら下がっていました。結構熟睡していて、捕獲、測定、バンド装着中、ずっとボーとしていてくれて、咬まれることもなく順調に修了しました。

反対側の素堀の穴、期待通りモモジロコウモリが中央付近より観察され初め、ほっとすると、さらに奥に大きなコロニー、よく見るとコキクガシラコウモリでした。ここでは初記録、北摂全体でも多くないコウモリです。暖かいところにいてすぐに目を覚ますコウモリです。モモジロコウモリはほぼ熟睡、起きていても咬むことはめったにありません。コキクガシラコウモリはすぐに目を覚まし、咬みついてきますが素手でもちょっといたい程度。

”コウモリもぎ”をしながらすすみ、結局キクガシラ7頭、モモジロ12頭、コキクガシラ31頭を捕獲しました。再捕獲はそれぞれ順に4、4、0でした。そのうちキクガシラ1つは7月に、別の穴で新生児調査の時にバンディングしたものでした!直線約8kmの移動です。

*ご面倒ですが画像をクリックしていただくと大きくなります*

入り口 ずっと水没で360m 思わず撮ってしまう キクガシラコウモリ
モモジロコウモリ こんな顔 コキクガシラコウモリ こんな顔




2001年10月27日(土)
余野川オオサンショウウオ調査


2週間前に続き、コウモリとサンショウウオの2本立て。
今回はふだんとは別の川の調査です。
入ってみるとかなり背の高い堰に分断された川で、オオサンショウウオにとってはとても越えられそうにありませんでした。片側でも自然堤防なら迂回することも可能ですが、それもできないコンクリート護岸でした。

普段入らない川なので魚の標本を集めようと網を用意して行ったまではよかったのですが、川に入ったとたんお尻がびしょぬれ。見ると胴長が裂けています。前回の穴をなんとか修理したところやのに、今回は再起不能。
一緒に調査している仲間に協力してもらい、カマツカ、オイカワ、カワムツ、フナの1種、ドンコ、イモリ、サワガニ等を採集しました。本来ならもっともっと種類がいても良いはずですが。季節も悪いのかなあ。オオサンショウウオは見つかりませんでした。


なんでそんなにいっぱいあちこちで採集するのかよく聞かれますが、水系毎に変異がある可能性もあるし、その水系の環境が変化して魚相が変わった場合、昔の生息の証拠となるのです。もっとも、そうならぬように祈っていますが。











2001年10月28日(日)
剥製実習


大阪鳥類研究グループ の室内行事で鳥の仮剥製作り。
もう3.4年続いている行事です。一般の方は鳥の死体に触れる機会も多くないでしょうし、興味のある(ごく一部の?)人には人気のある行事です。特に今回はちょっとした手違いから会員外の方にも行事案内が流され、久しぶりの盛況な行事になりました。遠くは名古屋、滋賀県からの参加もありました。

今回は参加者の希望があり、タヌキの用意も担当者にお願いしていると見慣れたタヌキが転がっていました。私が昨年10月に治療したタヌキでした。このころ、タヌキの死亡が続いて処理できなかったため、ナマで送ったタヌキでした。普通は骨と皮だけ”納品”しています。博物館でも処理がおっつかずに1年間眠っていた訳です。哺乳類の専門家がいないためでもあるのかな。

午前中に皮をむいて炊き始めましたが結果的に4−5時間かかりました。皮膚の裏の脂肪取りもけつこう時間がかかったようです。




鳥の方はさすがに何時間もかけて遠くから来られた、やる気満々の方が多かったせいか、初めてにしては皆さん、それなりに上手に作っておられました。いろいろ作り方について質問して下さるのですが私自身自己流ですし人に教える技術もないので”そこは適当です””そんなもんです””まあ、手を抜いて”等の返事が多かったような。

手術も同じですがメスを持つ人の手つきを見ていると怪我しそうで怖い、と、言ってるうちに、タヌキを剥く時にメスで指を刺してしまいました。



見にくいなあ。
左がオオタカ、真ん中はハイタカ、右の嘴だけはゴイサギの幼鳥。





2001年10月20日(土)
臨空タウンで草抜き


獣医師会から呼び出しがかかり、暇な人は臨空タウン集合とのこと、左記の行事の準備で空き地の草抜きでした。

だいだい、ペットショーのような犬猫の集まる行事は嫌がられるケースが多いらしいけど行ってみると駅のすぐ南側の一等地。新しくできたアウトレットの店の北側の広い空き地です。

空港が出来て何年もなるのに、こんな空き地、駅周辺にいっぱいです。しょせん、通過するだけの場所、ということでしょうか。臨空パパラは人もパラパラ。(おっさん丸だし!)上記のアウトレットの店は今のところは繁盛してるみたい。

11日、そういうことで動物関係のイベントがありますので暇な方はお越し下さい、って、宣伝することになっていますので一応、お知らせします。



2001年10月14日(日)
池田市秦野鉱山


子供もお母ちゃんも遊んでくれず、特に予定がないので昨日に引き続き穴巡り。
本格的な冬眠時期に起こすと、起きてもエサがなく、体力を消耗するのでなるべく早い時期にバンディングした方が良いようです。
まとまった数のコウモリがいる訳ではありませんが昨日の穴との移動がバンディングにより確認されているし、少ないながらもいつもコンスタントにコウモリが記録されているのでちょっとのぞきに行くつもりで一人で出かけました。

ここは普通のハイキングコースから別の沢にはずれたところで、付近には廃屋や石積みの痕跡がある、雰囲気のいいところです。沢でモリアオガエルを保護、連れて帰りました。

ここは入口は全くの匍匐前進、以降140m、ほとんどウサギ飛び(って、この頃しないらしい。わかるかなあ。)状態で歩くところ。
キクガシラコウモリは、ほとんどは入り口付近で見つかるので最近は最後まで行ってませんでした。今回、結構奥にぶら下がっていたので、何となく最後まで見ておこうと入ってみたのが大間違い?

昨日の穴は細いと言っても所々で腰を伸ばしたりできる場所もあるのですが、ここは左右上下、うずくまって目いっぱいなほど狭い。最後だけ広く掘られているのでそこでやっと腰が伸ばせます。

そこまで行くとなんと、コキクガシラコウモリがいます。コキクはあまりあちこちにいるコウモリではないのです。もちろん、ここでは初記録。冬でも熟睡しないので奥の、ちょっと暖かめの所でうろうろするコウモリです。
この場所が最後やと思っているのにコキクの姿が奥に消えていきます。よく見ると、少し登ったところに穴が見えます。
ここまで何回か、私以外にも何人も入っているのにここが終わりと思い、みんな上部は気にしていなかったようです。

入ってみると同じ様な狭い坑道が延々と続いています。グアノ(コウモリのウンコ)もあちこちに見られ、コウモリの存在を示しています。
大阪の穴 に書いてある通り、はじめての穴でもたいてい一人で調査してきたし、いったん入ったらたいてい最後を確かめてきましたが、今回はとにかく長すぎて狭すぎて、途中で引き返しました。
奥に消えたコキクガシラコウモリ、姿も見えなかったのでまだまだ奥がありそう。帰りのしんどかったこと。

この穴、もう2度と入りたくないなあ。でもコキクガシラコウモリの記録は貴重やもんなあ。
再調査、これを読んでいる貴方、どうです?


入り口から中は想像できない。下向きに、這って
入る。いつも入り口で数分考えてから意を決して
はいっている。タヌキの溜め糞の上を這う。
愛用の傷だらけのヘルメット。
ヘルメットがなければ私の頭は今頃こうなっている。


調査風景。子供用の靴下に押し込んで体重測定
写真はキクガシラ。バンドは小がユビナガ用。
キクガシラの顔。手袋は咬まれるために防護



2001年10月14日(日)
豊能郡豊能町 桐山鉱山

午後からは新光風台の桐山鉱山。新興住宅街の結構近く。このあたりは昔から鉱山が多く、住宅開発で多数の鉱山が埋められました。ここもコキクガシラコウモリがいるので気になっている穴です。内部に縦穴があって私の技量では探索困難で、以前、大学の探検部と合同で調査したところです。
ザイルとハシゴが必要な穴ですが片側は水平な穴でこちらにもキクガシラコウモリ、コキクガシラコウモリがいたので見に行ってきました。ここもとにかく狭い穴ですが距離が短いのでなんとか耐えられます。残念ながら1頭も見ず、帰りかけると向こうからコキクが私の観察にやってきました。今回は縦穴の方で寝ていたようです。

コウモリがいると再調査の必要が出てきます。縦穴も観察しないとあかんのかなあ。ここも何回もは、入りたくないなあ。

この坑道以外に3,4カ所坑道があるのですが元気が出ずに調査は省略。まあ、小さい穴ですのでいてもキクガシラが1.2頭でしょう。調査を始めた頃はキクガシラ1頭で大騒ぎしたんですけどね。

昨年の冬は日曜ごとに穴を求めて山の中を徘徊していました。昨年の方が元気やったような。年をとったんでしょうか。
さすがに2連ちゃんで本日(15日)は腰と足に効いてます。




2001年10月13日(土)
大萱原鉱山

オオサンショウウオの調査があり、ついでに(ついでとも思えないけど)まず、コウモリ調査。
最初に池田市大萱原鉱山。
ここは人家から200m程の所に開口しています。戦後も一時は掘られていたらしい。銀が出るとの記載もあります。
もっとも、銅が出る鉱山はその他モロモロの鉱物もいろいろ出るそうです。
水につかっている廃坑はかなり多く、ここも最初見つけたときは膝上まで水没していました。それでも胴長で何とか入れたんですが8月に来たとき、水位が上昇していて入れませんでした。
新しいので、木の線路や碍子も残っている比較的大きな廃坑です。
(現在入れる範囲では)奥行きはそんなにないので規模からいうと”その他大勢”の部類の廃坑ですがコキクガシラコウモリが見つかっているのでそれが気になっています。

見にくいですね。前はなんとか入れたのですが。 ここは這う穴で8mほど。タヌキのトイレ場。



2001年10月13日(土)
***廃坑


夕方から大阪で唯一ユビナガコウモリが見つかっている廃坑へ。
ユビナガコウモリは団体で季節移動するので当たれば200、はずれれば0。ここはそれ以外にもキクガシラコウモリ、コキクガシラコウモリ、テングコウモリが出る廃坑なのでユビナガがいなくても”コウモリ的”にはそれなりに楽しめるところです。季節的にはユビナガの引っ越し時期です。コウモリがいればバンディングの手間がかかり、費用も時間もかかる、いなければさびしい、何回行っても入る前はちょっと緊張気味。

行ってみるとここも坑道水没!そういえば昨年11月も水没で入れませんでした。
ここも湿度は高い廃坑ですが普通は靴でも入れるところなのです。この季節は地下水位が上昇するのでしょうか。
長靴でなんとかなりそうなので行けるところまでと思いつつ入りますと、キクガシラコウモリがあちこちにぶら下がっています。
”コウモリもぎ”を楽しみながら中央まで行くとユビナガが出始めました。



水没した坑道。白いゴミは蛾の羽−コウモリの
食事あと。持って帰って食べてるのかなあ。
ちょっと見にくいけどテングコウモリ。金色の
毛に覆われている。鼻が横に張り出し、”天狗”。


キクガシラは単独でぶら下がっていることが多い
熟睡すると体を翼で包む。手づかみで袋へ。
ユビナガはくっつくのが好き。


コウモリにより好きな場所が違い、ここはいつもその順番です。
普通、バンド(翼帯、翼に金属の環をはめ込む)持参で坑道に入り、捕獲後すぐにバンドしながら解放するのですが、今回は水没していたのと同行者の長靴が穴が空いていて入れない、ちゅうトラブルがあって私一人、”コウモリ袋”持参で入っていましたので、途中で袋いっぱいのコウモリを抱えて引き返しました。

ユビナガコウモリ50頭にバンディング、再捕獲10を確認、キクガシラは20に新規バンディング、再捕獲4でした。
つかまえながらバンドすると寝ぼけているのも多く、寝てる間に用事を済ませられらば咬まれることもありません。けど、今回は回収して袋に入れてゆらすうちにみんな起き出し、バンドする時点では体温も上がり、絶好調、本気で咬みにきます。ユビナガぐらいやったら”いたっ”でおわるけどキクガシラともなると”い゛だ゛ぁ゛!”となり、血だらけの惨事になる可能性もあります。(体重は ユビナガで14g、キクガシラ25gぐらい。)

バンドはイギリス製の直輸入品。日本にはいいのが無いのです。一個手数料込み約40円。以前、バンディングを手伝って下さったお姉ちゃんは放すときに”ああ、40円が飛んでいく”って言ってました。
鳥屋さんならバンドは山階鳥研から環境省のを借りられる(実質的にはもらえる?)はず。ええなあ。

コキクガシラコウモリは最初引き返した地点より奥の、脇の坑道にいるのでそれを探しに再び中へ。
結果的にコキクを確認したのは嬉しいけど、中腰で400mの坑道を2往復する事になり、錆び付いた腰がギシギシ音をたてはじめ、下は水、少しでも腰を伸ばそうとすると頭がゴツンで、一時はどうなるかと思いました。

調査終了は夜7時、外は真っ暗。
以前、コウモリの出洞を観察しようと思い、日暮れ前から坑口でコウモリを観察したことがあります。一通りコウモリが出たあとで坑道に入ったのですが、理屈は同じ真っ暗闇なのに、夜の廃坑はさらに暗いような気がして大変怖かったです。今回もさんざん苦労して出口まで来たのに外が暗いとすごく不安でした。どっかで道を間違えたのかと。




2001年10月13日(土)
能勢町天王川 オオサンショウウオ調査


ついでオオサンショウウオ。これは夜でないとできない仕事。夜といっても穴ぐらに比べればずっと明るいですが。
オオサンショウウオのサイズになれば夜行性で無くっても天敵なんてそんなにいるようにも思えないけど、なんで夜行性なんでしょうね。
夜の川は魚も寝ぼけていて昼とは全然違った顔をしています。そういえば橋の下で寝ているカワガラスもよく見ます。
橋の下でスズメバチの巣を見つけたこともあります。

今回は支流も調査しようと遡り始めましたがブッシュがひどくて途中で断念しました。ブッシュをかきわけてる最中にイバラか何かで胴長に穴が空いたらしい、だんだん右足が濡れてきます。調査が終わる頃にはグジュグジュになりました。やっぱり安もんはあかんなあ。見つけたサンショウウオは一つだけ。こういう日も珍しい。普通、数頭は見つけるんですけど。



今日のはシッポと片足の指が欠けた、わかりやすい子。
普通、尾や体の斑紋で個体識別していますがこれだけ特徴的な子なら次回からすぐにわかるでしょう。











2001年10月6−8日
京都大学 にて 日本鳥学会


6,7,8日と3日間、鳥学会なるものに行ってきました。大阪鳥類研究グループで調査した、”ため池で繁殖する鳥” が発表されるのでそれを聞くのを兼ねてどんなものか、のぞきに行った感じです。

学会といってもそんなにかたぐるしい物ではなく、また、獣医の勉強会、学会ではないので気楽に参加できました。内容は・・?。難しくって理解不能のやら、早口で原稿の棒読みで何を言ってるのかわからんのやら、別の意味でいろいろ参考になりました。発表の後の質問でもおもしろそうなツッコミがありましたが、ほとんどは時間切れで尻切れトンボでした。

片一方で野鳥の救護を一生懸命しているのに、ウミネコのコロニーで卵を採取したり、ヒナを解剖、卵の入れ替えによって繁殖時期を調節してヒナの成長(及び生存率)を見たり、学問のためには仕方ないんですかねえ。

何を発表するにしても統計がからんでるのが多く、生物といえども数学の知識がいるんやなあ、と、つくずく思いました。

シンポジウムもマダカスカルの鳥の話で、まあ、ガラパゴスのダーウィンフィンチとの比較もあってほんの少しはわかりましたがこれも難しい話でした。

京都大学でありましたがすごく大きい大学ですね。古い、階段状の教室と生協での定食が(もちろん大学は違うけど)大変懐かしかったです。京都をブラブラしたのも何年ぶりかでした。







2001年9月16日
浜寺公園


自然史博物館友の会月例ハイキングの世話人として、西川副会長、松本学芸員と一緒に浜寺公園へ行って来ました。
ご存じの方はご存じのように、浜寺一体は数年前、セアカゴケグモで有名になったところです。

行ってみると、いるわいるわ、側溝の網目状の蓋を開けると赤い雌親や、その子供や卵のうがいっぱいくっついています。側溝も場所があり、ある程度日当たりがいい方がいいそうです。通常、動物の採集に対しては過度にならないように注意するのですが今回は特別、外来の帰化危険動物という事で取り放題、駆除をかねて参加者皆様にアルコール付けにして持って帰っていただきました。




側溝をひっくり返したところ
♀と卵のう
下はエサになったコメツキムシ











やっとフィルムを現像しました。

左から♂、中ぐらいの♀、りっぱな♀。
♂の頭部には触肢(しょくし)というのがあります。
交尾器官(オスは精子をここに吸いとってこの部分をメスの生殖口に挿入することで交尾をする)だそうです。