院長の週末  

 
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スナメリ    6月24日
コウモリ    6月24日
夜の淀川   6月19日
ササゴイコロニー探索?  6月17日
アイマックス・シアター  6月12日
コウモリ  6月11日
横浜見物  6月4−5日
マッコウクジラ  5月31日
ササゴイ   5月29日
あちこち、コウモリ   5月28日
講演会  5月9日




スナメリ
6月24日


コウモリから帰ってのんびりしていると、博物館から電話がありました。某所にスナメリが上がっているけど、車を出せないか、って。
特に予定がないので、了解、と返事をしてから、かほりの事に気が付きました。最初に「上がった」と聞いた時、「新鮮」と信じてしまっていました。

現地へ行ってみると、かなり変色して、ふくらんでいます。
ビニールで何重にもくくって運びましたが、けっこう荷物室からかほりが流れてきていました。コンテナに積んでいたので、「汁漏れ」等はありませんでした。
スナメリを博物館で降ろしてからは、車はまた、普通の犬臭さに戻っていました。




コウモリ3
6月24日


ここは、珍しく親・子・孫トンネルがあります。親は明治初期のトンネル、子は昭和、孫は平成、という感じでしょうか。現在は孫のみが現役で、子は昨年までは現役でしたが、今はフタをされてしまいました。さて、ここもコウモリが利用し出すのでしょうか。ちょっと直線過ぎて、さらに、規模も大きすぎるように思います。


明治初期のトンネルで、(観光用に?)そこそこ管理されているトンネルです。内部に電線を張り、明かりを灯せるような造作があります。なにか、行事の際には柵を解放しているのかもしれません。


ここは距離はそんなに長くありませんが、キクガシラコウモリが出産します。


岩の隙間に、モモジロコウモリが眠っていました。この穴では初記録です。




コウモリ2
6月24日


先月、ユビナガコウモリが多数見られたので、ひょっとすると出産の可能性は?、と思い、行ってみました。
予想に反して、ユビナガコウモリは減少し、いなくなっていたコキクガシラが戻ってきています。ほとんどが飛んでしまったので、数ははっきりしませんでした。


画像ではわかりにくいですが、こんな堆積の仕方はユビナガコウモリだと思っているんですが。




コウモリ1
6月24日


雰囲気がよくって、好きな穴の一つです。


例年、キクガシラコウモリの出産コロニーに、モモジロコウモリが多数混じります。モモジロコウモリが集まっているかと先月に続き調査してみましたが、残念ながらモモジロはほとんどいません。パターンが変わったのか、これからモモジロが集まってくるのか、不思議です。
キクガシラコウモリは、かなり数が増えていました。

テングコウモリが3個体、ばらばらにぶら下がっていました。ここでの発見は初めてですし、時期的にも遅いかなあ、という感じです。もっとも、廃坑でのテングコウモリは冬が多いですが、トンネルでの記録は夏も時々あるようです。





淀川・ライトトラップ
6月19日(土)


友の会・月例ハイクで、淀川でライトトラップ、と言うのがありました。もうすぐ淀川展というのがあり、その調査と宣伝を兼ねて、と言う事らしいです。
夕方に八幡駅に集合し、楠葉まで散歩。

八幡駅近くの橋が付け替えられていました。よくわかりませんが、旧の橋も十分使えるように思うんですけどねえ。

(右)ここ数日の間に新規利用始めたらしいです。その際に使っていたであろう、柵が並んでいました。


小雨があって、振り返ると虹が出ていました。虹なんて、何年ぶりだろう?きれいでした。


ブタクサハムシ。外来昆虫です。最初見つかった時は、大々的に昆虫雑誌なんかに北上の記録と共に報告されていましたが、すでに日本中で見られるようになり、今となっては誰も見向きもしません。


日が暮れてからは発電機と水銀灯で、昆虫を集めます。


(左)主な目的は、コガネムシ類、でした。
(右)一番よく集まっていたのはカメムシ。あたり一面、カメムシのかほり。




サギのコロニー
6月17日


枚方の方にあるかもしれない、ササゴイのコロニーを探しに行ってきました。

駅前の住宅地なんですけど、こんな看板が・・・・・。


小さな池に、サギのコロニーが出来ていました。


緑の多そうな所を見ながら淀川まで来ましたが、残念ながら、ササゴイのコロニーは発見できませんでした。そもそも、ササゴイのコロニーというのは非常に静かですし、小規模なんで、知らないでこんな風に探し回っても無理なんじゃないでしょうか?本来は河川敷でササゴイを見つけて、飛んでいく方向を見定めて追跡する、と言うのが本来の手法なのかもしれません。
で、淀川縁でしばらくササゴイを探していましたが、見つかりませんでした。

釣り人とアオサギ。こういう風景はよく見ますねえ。釣れるとサギもわかるらしく、羽をパタパタして喜びます。


近くにある、イワツバメのコロニー、と言っても、数巣らしいです。
カメラマンが下に陣取っていて、近寄りにくい雰囲気でした。


ただ暑い中をウロウロしただけ、でした。



サントリー・ミュージアム
6月12日(土)


当選してもらった、アイマックス・シアターの入場券。
天保山は、いつ以来かなあ。用事はアイマックスシアターだけ。海遊館、2000円(だっけ?)は、けちって、行かず。水族館と言っても、魚が泳いでいるだけだし、てな言い方をすれば、何でもおしまいなんだけど、夫婦で4000円はちょっと、もったいない。


時間つぶしに、なんとかマーケットをうろつく。人は多いけど、店に入っている人自体は少ない。昔、行列が出来ていた店もがらん、としている。


でもって、3Dの、ハッブル望遠鏡。おもしろかった。

敷地内に展示されている、マーメイド号。小さいなあ。



そういえば、先週も海だった。




コウモリ
6月11日(金)


某軍事施設です。

ここは冬眠コロニーのための場所だと思っていたら、昨夏に出産コロニーが出来ているのが見つかりました。6月末には出産していたので、もう集まっているかと思っていましたら、数頭いただけです。

この近くでも出産コロニーが観察されているので、使い分けに興味があるのですが、昨年は今の時期には、すでにコウモリが多数観察されていました。
今年も出産するのかどうか、非常に興味がありますね。


なぜか、こんな写真が撮れました。カメラの感知部(何て言うの?)のゴミにしては、他の写真には写っていません。
そのつもりで見ると、黒い陰もありますね。廃坑に入ると、そこで亡くなった人でしょうか、亡霊と会ったり、ヒトダマを見ることはよくあるので、これもそのたぐいの物でしょうか?テレビ局が喜びそう。




コウモリ 死屍累々
6月11日(金)


某トンネルを調査しました。

ここはキクガシラコウモリが出産しており、いつも7月に観察していました。その時、いつもモモジロコウモリとユビナガコウモリが多数生息しているので、ひょっとするとモモジロコウモリが出産しているのではないかと、調査してきました。モモジロコウモリは、キクガシラより一ヶ月ほど、出産が早いのです。
本来は、出産コロニーは親が出て行った夜中に調査するのですが、まあ、今回は初めての調査と言うことで、お許し下さい。

4月に来たときは、100頭ほどが隙間に入り込んでいましたが、今回は大きなコロニーを作っています。一見すると、すごく白く、小さな新生児らしきコウモリは見つかりませんが、何となく小さなコウモリはいるように感じました。が、ほとんどが飛べる大きさまで成長しているようにも感じました。やはり、5月に調査すべきでした。


で、コロニーの下を見ると、グアノの中に赤ん坊の死体が見えます。キクガシラコウモリの出産コロニーでも、死体を回収することはほとんどありません。モモジロコウモリは赤ん坊の死亡率が高いのかなあ、と思いながらよく観察すると、白い、丸い物がいっぱい見えます。手に取ると、BB弾です。さらによく観察すると、ロケット花火に、タバコのフィルター。
つまり、誰かがいたずら(と呼べるほど、かわいいことではない)で、コウモリを殺戮しているのです。

たしか、東北でも同じ事件がありました。この時はヒナコウモリで、もっと多数、殺されていたようにも記憶しています。
さて、どうしたもんでしょう?もちろん、法律的にはかなりの犯罪ではありますが、ここへ入ること自体(つまり、私も)違法でもあるので、さらに、事件を公にすることは、類似犯を誘導することにもなるので、慎重に考えなくてはいけません。


奥にはキクガシラコウモリが多数いるようでしたが、襲撃事件を記録しているうちに、みんな飛ばしてしまいました。

コウモリの生息を脅かすのは他ならぬ、研究者(私)ということを実践しているようでもありますが、入らない限り、この事件も分からなかったし、調査も出来ないし、非常な矛盾を感じています。


帰りに地面を見ると、BB弾がまとまって落ちているところを発見しました。ほかしたのか、「弾倉」をひっくりかえしたのか。


帰って画像を印刷し、スタッフのMさんに数えて頂きました。おおむね、500頭、という返事でした。


回収した死体を調べました。
翼が骨折した個体がいくつか見つかりました。親が一個体。ものすごく小さな赤ん坊も見つかり、調べていると非常に怒りを覚えるとともに、涙がこみ上げてきました。何のために?こんな事して楽しいのでしょうか?何も感じない?

全部で34個体。ざっと気が付いて回収しただけでこれだけなので、殺された数はもっと多いはずです。




横浜見物
6月4−5日


横浜へ遊びに行ってきました。非常に楽しかった。
詳しくは、こちらこちらをご覧下さい。






マッコウクジラ
5月31日(月)


堺の港に漂着したマッコウクジラを、解体してきました。
詳細は、ブログ6月1日をご覧下さい。
解剖にかかりきりで、写真は撮りませんでした。解剖を一緒にした、Tさんのブログに、写真が掲載されていますので、ご覧になって下さい。




ササゴイ
5月29日(土)


ササゴイの観察会です。
阪神電車、杭瀬駅から歩いて1分の、好立地条件。鳥は飛ぶんだから、こんな駅前じゃなくっても良いと思うのですが。


全く、普通の公園です。ここでは、サクラの木に多く見られました。
双眼鏡をぶら下げた団体でウロウロしていると、公園を散歩しているおばちゃんから、いろいろ話を聞けました。


こんな感じです。
首を伸ばしたササゴイがわかりますか?


(左)卵の殻が落ちていました。
(右)作りかけの巣です。


ササゴイの観察会だけでは、時間が持ちません。
淀川河口、海老江干潟を見に行きました。コアジサシが、いっぱいいました。


シジミ取りのおっちゃん。プラスチックの籠に、爪の付いた、クワのような物をくっつけた、自作の採集道具でした。よく取れていました。


ここでもササゴイが見られました。見ていると、すごく上手に魚を捕ります。成功率、80%くらいあったようです。
ここで食事したササゴイがどちらの方向へ飛んでいくかを観察するつもりでしたが、どんどん上流へ食事のために移動し、コロニーへ帰ったのかどうか、わかりませんでした。




コウモリ その1
5月28日


ほぼ、一ヶ月ぶりのコウモリ。片道、100km。何でこんなところまで?、と思いつつ、どうしても知りたいことがあって、出かけてきました。

まず、新穴。先月から調査を始めた穴です。
ユビナガがいるんじゃないか?、って予想したら、見事に当たりました。先月いたコキクガシラコウモリは皆無でした。タイミングというのは、難しいものです。いくらか捕獲しようと思っていましたが、網の長さが届きませんでした。


予想では、最奥部に生息していると思ったけど、それは、はずれました。


鉄道トンネルですので、それなりの設備も残っています。




コウモリ その2
5月28日


ここが、一番調査したかった所です。
キクガシラコウモリが出産していて、そのコロニーにモモジロコウモリが混じるのです。ひょっとすると、モモジロコウモリも出産しているのではないか、と思って、調査してきました。モモジロコウモリの出産は、早ければ5月末、らしいです。

結論から言うと、モモジロコウモリは一頭しかいませんでした。残念。


煉瓦の隙間に、(おそらく)モモジロコウモリ。




コウモリ その3
5月28日


ついで、ここは大阪の、キクガシラコウモリ出産地です。
7月が出産時期で、キクガシラコウモリはその時は、♀だけのコロニーを作るはずなので、今の雌雄の割合を知りたく思っていました。全頭捕獲して雌雄確認、も考えましたが、最初の団体を見ると戦意消失。やっぱり、一人じゃ、時間がかかりすぎて、また、起こすのがかわいそうで
数頭のみ、調べてみました。みんな、♀でした。数が少なすぎて、有意の結果かどうかはわからずじまいでした。

テングコウモリが一頭、残っていました。写真を撮ったけど、ピンぼけで掲載できず。




「大阪の温泉は本当に温泉か」
5月9日


5月10日は「地質の日」だそうです。語呂合わせとかじゃなく、何とかという外国人が日本の地質図を発行した日、なんだそうです。
で、博物館で、地球科学講演会というのがありました。講師は、大阪市立大学、生物地球系教授、益田晴恵さんでした。


例によって例の如く、「一部、意識を失って」聞きそびれたところはありますが一番聞きたかったところ、表題部分はしっかりと聞かせて頂きました。
大阪でもあちこちで「天然温泉」と言うのが出来ており、何でこんなところで温泉が出るの?、ってずっと不思議でした。

簡単に言うと、大阪層群ではどんなところでも深く掘れば、温度の高い「地下水」が出てくる訳です。3.6度/100mで水温が上昇するらしいです。法律は水温が25度、もしくは指定の物質を含む地下水を、「温泉」と呼ぶらしいです。はっきりとはおっしゃっていませんでしたが、「あんなん、ちょっと暖かい地下水」というようなニュアンスでした。
今のように、際限なく採水している現状ではいずれ、地盤沈下などの問題も出てくるかも、っておっしゃっていました。

また、海が近い温泉では、確かに指定される物質は検出されますが、海水が地下水に混合してナトリウム泉になっていると言う面もあるようです。

結局、近畿地方で明らかな「温泉らしい温泉」となると、やはり有馬とか、龍神、城ノ崎方面になるようです。
けっこう、おもしろい講演会でした。