野鳥カルテ 


2006年  7−9 



2006年 1−3 4−6 7−9 10−12
2007年 1−3 4−6 7−9 10−12
2008年 1−3 4−6 7−9 10−12
2009年   1−6   7−9 10−12
2010年 1−5   6−8     9−12





キジバト    9月14日
ヒヨドリ     8月24日
カルガモ    8月13日
ヒヨドリ2題   8月12日
カワラヒワ   8月4日
ツバメ      7月28日
ムクドリ     7月27日
ドバト      7月21日
チョウセンイタチ  7月18日
ササゴイ    7月15日
ツバメ      7月15日
スズメ      7月
ヒヨドリ     7月13日
ヒヨドリ     7月1日





キジバト
9月14日(木)


巣立ちヒナです。元気です。
昨日の雨で巣から落ちたんでしょうか、あるいはタダの巣立ちでしょうか。

今日はめずらしく、これ以外にもヒヨドリとムクドリの来院がありました。

ヒヨドリはずいぶん遠くから連れてきて下さいました。ありがとうございます。栄養不良で骨の変形と足の障害が出かかっている子。一応は止まり木に止まれますので、今から栄養を付けさせて改善があるように願っています。

もう一人はムクドリ。野鳥というよりすでにペットです。爪切りで来院です。パンを食べさせていいか、毎日主人と風呂に入るけどいいか、って聞かれました。まあ、どうでもいいんじゃないですか?




ヒヨドリ
8月24日


遠くから連れてきて下さいました。以前にも何羽か連れてきて下さっています。いつもありがとうございます。
昨年あたりからヒヨドリの来院が急に増えているように思います。都会のクマゼミみたいに、いわゆる都市鳥として増えているように思うんですが、どうなんでしょう?こういうのは定量化したデータになってるんでしょうか?


9月29日に、やっと放鳥しました。長かった。




カルガモ
8月13日


友人の紹介で来ました。いつもありがとうございます。


大腿骨の遠位端、上腕骨の遠位端の骨折です。いずれも関節部分で整復はほぼ不可能です。
飛ぶ鳥なら(って、鳥は普通は飛ぶもんですが)、野生復帰を前提に考えるなら、安楽死でしょう。池や川では野良犬などの敵が少ないのか、飛べない水鳥(季節はずれのカモなど)が長期に観察されることがあります。足さえ治れば生き残る可能性があるかと思い、治療を試みることにしました。


大腿骨はピンニングしましたが、遠位端の断片が小さすぎてピンの引っ掛かりがほとんどなく、固定できているんだかどうだか。翼は断翼しました。

やるだけやった、というと聞こえがいいけど、飛べない鳥ばっかり作ってどうする?とも思います。いつも書いていますが私の最近の活動というのはほとんど自己満足の世界になりつつあります。実験、練習台、経験という意味合いが強い。
サギ類だったら即安楽死か、足が治るのを確認してから、死ぬのを予想しながら河川に放置するかもしれません。カルガモなら情が移れば家で飼える可能性もなきにしもあらず、ということもあり、治療してみたわけで、やっぱり命に差はあるというのが正直なところです。


*バランスが悪く歩けず、転倒すると起きられません。傷の治りも悪く、その後化膿が始まったので安楽死しました。



ヒヨドリ 2羽
8月12日


1羽は画像とメールのみ、1羽は見せてもらっただけですが、まあ話題、ということで。

知り合いからメールと写真が来て相談がありました。道路の真ん中でひらったそうです。
巣立ちヒナは保護するなというけど、このままならセンベイは間違いないでしょう。

この画像を見るととても助かるようには思えませんでしたが、


翌日、少し元気になりピーピー鳴きだしたそうです。
飼い方をお教えして様子見、です。


次は別の子。
1週間ほど飼育されているそうです。息子さんがかわいがっておられる様子で、飼い方をお教えすると連れて帰られました。
ずっと飼育しても良いかと聞かれました。まあ、現実的にはこういう形でずっと飼育している例は多いです。良いかと聞かれると、飛べるなら違法になる、としか返事のしようがありません。みんなが飼っているから良い、というものでもありませんし。とはいえ、まあ、どうでもいいんじゃないですか?
ただ、体と声が大きいのでセキセイインコと同じというわけにはいかないかも。体が大きいと便の量も多いですし。また、普通の鳥かごでは羽根が痛むので注意が必要です。
まあ、飼育がたいへんになれば放鳥しても良いという点は、外来種とはえらい違いですね。




カワラヒワ
8月4日


スズメ、って持ってこられたけど、カワラヒワでした。まあ、鳥に興味がない人には同じ事かもしれません。
保護された場所は病院のすぐそば。2,3ヶ月前、カワラヒワが電柱でよくさえずっていました。犬の散歩コースでカワラヒワがブッシュに入り込むのを何回か見ています。この子と関係があるのかなあ。都会でも繁殖しているんですね。
巣立ちヒナの誘拐でしょうから親がいれば、と、近くを歩いてみましたがわかりませんでした。

*8月末に放鳥しました。



ツバメ
7月28日


ツバメが来ました。しばらく飼っていたそうです。羽がボロボロで飛べません。
以前にもこういう子が来ました。羽が伸びきる前に抜けてしまいます。といって、初列の一部はきれいに、普通に生えているのですが。秋までに生えそろわないと南に帰れない・・・・・。
ツバメに問題があるのか、食事に問題があるのか、よくわかりません。




ムクドリ
7月27日


箱に入れて、ほかされていたそうです。はじめに正面から見て、人相が悪くて何の鳥かわかりませんでした。こんな頭の格好をした鳥っていたかなあ、って。
両眼が腫れて盲目状態です。隙間から見ると、眼球はあるようでした。


レントゲンを撮ってびっくりしました。なんやら飲み込んでる?


翌日の便に出てきました。エノキの果実でした。ハクビシンの糞から大量に出ていたのと同じです。果実がこんなにしっかりレントゲンに写るって知りませんでした。(エノキだけかなあ。X線不透過性っていいます。)イヌネコなら明らかに異物、って診断していたでしょう。

*数日後死亡して剖検しました



ドバト
7月21日


夕方、病院の前を小学生らしき子供が二人、ウロウロしています。ネコでもひらって来たのかと思っていたら、足元を見るとドバトのヒナが歩いています。聞くと道路の向かいで歩いていたのを見つけて後ろを付いて歩いていると、勝手にこちらに来たとか。ヒヨドリといい、この子といい、うちは託児所じゃおまへん。

ドバトというと、マンションのベランダのクーラーの下、って先入観があります。向かいの商店街をちょっとウロウロしましたが巣や親兄弟は見つかりません。このまま歩道に放置するわけにも行かず、連れて帰ってしまいました。

*8月に放鳥しました。



チョウセンイタチ
7月18日


堺市のど真ん中で保護されました。たぶんチョウセンイタチでしょう。
外来種が問題になっている昨今、帰化種を救護する意義があるのかどうか、疑問がないわけではありませんがまあ、この子1頭が野生に戻っても大自然の真ん中でもありませんし、生態学的には何の影響もないでしょう。

*3日後、死亡しました。剖検しましたが原因はわかりませんでした。



ゴイサギ?ササゴイ?
調査の結果ササゴイ!大発見!
(7月17日再記)
7月15日


ササゴイを保護した、とおっしゃっていましたが、大阪府でササゴイのコロニーは淀川付近で見つかっているだけです
って最初に書いて公開してしまいましたが、堺市や岸和田なんかでも繁殖例はあるらしいです。さらにこういう所と場所での繁殖はササゴイの可能性も十分あるとか。

とはいえ、ササゴイという名前が一般の人から出てきたのには驚きました。保護場所と可能性から言うとゴイサギではないかと思うのですが、こんなサイズのヒナを手にとって見たのは初めてです。本当にササゴイか違うのか、巣を確認に行く必要がありそうです。といいながら詳しい場所を聞くのを忘れました。
って書いたら、ネットをごらんになった保護者の方から詳しい場所を教えてもらいました。17日にでも見に行ってみます。

大腿骨の骨折でした。折れた場所が関節のすぐ上で、さらにピンを入れようとすると骨がやわらかすぎて固定しづらく、大変苦労しました。部位的にピンが関節を貫通せざるを得ず、膝が固定された形になっています。うーん、難しいかなあ。

*残念ながら死亡しました。剖検初見をホネホネ団の方に掲載しました。



ツバメ
7月15日


6月から育てておられるようです。目が開かないと言うことで来られました。
ツバメで一番多い障害でしょう。たぶんビタミンの不足です。すり餌に餌付かせて栄養のバランスを取って、というけど、すり餌を食べるようになる子は多くないように思います。つい、よく食べるのでミルワームだけになってしまいます。
本来ならもう巣立って飛べそうな大きさでしたが、飛ぶのも上手ではないようでした。




スズメ
7月

スズメが来ました。しばらく飼育されているようですが、放鳥前に足が悪いのをみて欲しいとのことでした。
こういう足(指)の変形はけっこう多いように思います。先天的なものがあるのでは?と思っているのですがよくわかりません。棒に止まらせる訓練をすればいいのかなあ、と思いつつ、ここまで変形していると無理ではないでしょうかねえ。片足だけの異常なら、上手に止まり木にとまる子もいるようです。

放鳥出来るかどうか聞かれましたが、まあ飛べるので物理的にはどこかへ飛んでいくでしょうけど、個体の命を考えると生き抜くのは無理ではないか?と思います。ただ、お腹や尾羽でバランスを取る子が多く、羽毛が痛む子が多いようです。




ヒヨドリ
7月13日


友人の紹介で来られました。いつもありがとうございます。
羽がボロボロです。ネコにでもやられたのではないでしょうか?でも外傷はありませんでした。
両眼が角膜炎で見えません。曇っていて内部構造がわかりませんが、光に対する反応もないしちょっと具合悪そう。
先に目がダメになり、何らかの事故で羽が抜けたのかもしれません。

*15日に死亡しました。



ヒヨドリ’S
7月1日


6月30日に一人、1日に(これはブログの子)一人来ました。
30日の子は明らかに巣立ちビナですが、立体駐車場の隙間に落ち込んだ、とかでした。他の兄弟はすでに親に連れられてどこかへ消えた、ともおっしゃってました。

1日の子は、前日巣立ったけど翼を痛めて木の下に落っこちていました。