野鳥カルテ 


2006年  4−6 



2006年 1−3 4−6 7−9 10−12
2007年 1−3 4−6 7−9 10−12
2008年 1−3 4−6 7−9 10−12
2009年   1−6   7−9 10−12
2010年 1−5   6−8     9−12





タヌキ      6月19日
アオダイショウ 6月19日
ドバト      6月9日
ムクドリ     6月9日
ヒヨドリ     6月7日
スズメ      6月1日
キジバト    5月27日
ドバト      5月27日
スズメ     5月16日
ハシブト(?)ガラス  5月15日
ハシブト(?)ガラス  5月9日
ドバト      4月21日
ヒナコウモリ  4月19日
ヒドリガモ    4月7日
ドバト       4月6日



タヌキ
6月19日


友人から、「タヌキの子供が来た。送りますのでよろしく。」との電話。まあ、そんなに小さくなさそうだし、ちょっと食べさせてある程度になれば山へほかしに、と簡単に思っていましたら・・・・・。


連れてきた人の話では、たぶん草刈り機で切られたと思う、との事。まあ、故意ではなかったと信じていますがあまりにもかわいそうですねえ。皮膚数カ所の傷と、左前足は開放骨折でブラブラ。
かなり長い間、治療するか安楽死するか考えましたが、結局手術することにしました。断脚して胃にチューブを入れました。ただ、衰弱が激しいので持つかどうかわかりません。たぶん無理かなあ。


と思っていたら亡くなりました。すごく残念。




アオダイショウ
6月19日


野生動物救護ではありませんが、まあ保護されたということでこちらに載せます。
アオダイショウの子供です。マムシといわれて某機関に持ち込まれたそうです。
人のことは言えず、私も大昔、子供が学校でひらって来たこの子をみて、マムシと思ってすぐに学校に電話した経験があります。




ドバト
6月9日


知り合いから預かりました。
翼がおかしいと言う話でしたが、見てもさわってもレントゲンでも異常なし。
することがないので血液検査すると
AST 592  ALT 132  GLU 326  TP 2.0
鳥の血液検査は正常値がよくわからないけど、AST 592 はちょっと高すぎるし、蛋白 2.0 というのは低すぎるように思います。

しばらく治療してみると
AST 123  ALT 31  GLU 358  TP 2.7
になりました。やっぱり病気だったんだろうか。

怒ってます。

*めでたく、公園に放鳥してきました。



ムクドリ
6月9日


ムクドリが来ました。玄関に落ちてきたそうです。
しばらく飼っているが足がダメで、落ちた時に猫にでもやられたのではないか、と話しておられました。
粟玉ばっかり与えていたようで、栄養不良で足が不自由なようでした。箱に保温剤とタオルを入れてそこに入れていたようです。どうしてもヒナは巣、という発想があるんですねえ。やっぱり鳥は木に止めないと足に来ます。

食事と飼育方法をお教えしてそのまま返しました。

もうしばらく飼えば放鳥出来そうですが、野外はネコやカラスなど危険がいっぱいなので放したくない、っておっしゃいます。このまま飼育して良いかどうか聞かれました。立場上は放して下さいね、ということにしておきましたが本人は放す気は全くなさそうです。まあ、どうでもいいや。



ヒヨドリ
6月7日


「鳥をひらいました。親がいるみたいだけど、車が通るので心配で連れてきました。」って、完全に誘拐やんか。
夜の忙しい時に連れてこられ、説明する間もなくそのまま預かってしまいました。当然、元気です。

翌日、ひらった方が来られたので巣立ちヒナであること、十分飛べることなどを説明し、保護した場所へ連れて行ってみるように言いました。しばらくして、「親が連れて行きました」との返事が返ってきました。1日経っていても問題ないんですねえ。良かった良かった。一件落着。

ピンぼけで、すんません。




スズメ
6月1日


猫が連れて帰ったそうです。大きめの巣立ちヒナ。
残念ながらすぐに死亡しました。

ここのところ、成績はさっぱりです。
自信をなくしています。



キジバト
5月27日


電話で、カラスをひらった、と連絡があり、来たのはこの子。

うーん、カラスには見えない。
なんで落ちたんでしょう?兄弟がいるのでは?

*その後、食滞を起こして死亡しました。



ドバト
5月27日


血が出ていて飛べない、とのことでわざわざ遠くから連れてきて下さいました。
あちこちに外傷があります。さらに左の翼が動きません。
レントゲンで上腕骨近位の複雑骨折を認めました。


外傷がひどいこと、折れ方がひどいことから治療しても助かる可能性は低く、また野生復帰は無理と判断し、安楽死になりました。
外見的には元気そうなのでつらい処置です。




スズメ
5月16日


今度はスズメの巣立ちヒナ。落ちてきた、とおっしゃってました。
追いかけ回したらしく、クモの巣だらけ。

*残念ながら亡くなりました。



ハシブト(?)ガラス
5月15日


だからカラスは拾わないで、ってお願いしてるのにまた来ました。おまけに直接ではなく、何人かの人が介在しているので元の居場所はわからず。うーん、困った。困った困ったコマドリ姉妹。
病院のケージもさすがに鳥ばっかりというわけにはいかず、とりあえず自宅の野外ケージにほり込みました。


2日後に死亡して、剖検しました。
鎖骨が曲がっています。骨折ではないので先天的な異常のようです。
皮下に空気が漏れ、肺に出血がありました。事故でもあって気のうが破れていたのでしょうか。巣立ちヒナのサイズですし、痩せてもおらず、一見元気そうでしたので誘拐と決めつけていました。反省。


久しぶりに仮剥製を作りました。所要時間1時間半ほど。まあまあの出来。




ハシブト(たぶん)ガラス
5月9日


夕方のくそ忙しい時に、小学生が黒いゴミ袋をぶら下げてきました。病院に入ってくるなり、「公園で・・・・」、云々としゃべっています。診療中ではっきり聞き取れず、てっきり子猫でもひらって来たのだと思いました。
仕事が一段落してから聞くと、公園で飛べないカラスを見つけたけど捕まえられなかった、追いかけ回しているとどっかのおばちゃんが捕まえてくれて、うちに連れて行くように言ったとか。
全然人慣れしていないし、痩せてもいないし、羽もほぼ普通。これ、明らかに誘拐ちゃうの?保護したという公園は小学校の向かえ。
スズメのヒナはひらいましょう、って言ってるけど、カラスのヒナは飼育がたいへんなので推奨していません。連れてきたのが夜だったので、一晩病院に止めて翌日公園へ連れて行きました。親?、カラスが頭上で鳴いていたので放しました。しばらく観察していましたが何事も起こらず。時間が無くってそのまま帰ってしまいました。
まあ、住宅地のど真ん中の公園で小学校、保育園があるので何かあったらまたうちへ持ち込まれるでしょう。

それにしてもお節介なおばちゃんですなあ。




ドバト
4月21日


ドバトが来ました。交番へ持ち込まれ、行政を経由して来ました。ドバト一つでお巡りさんからお役人さんまで動かすって結局は税金ですよ。なんだかねえ。
一見普通ですが神経症状があって歩くとこけます。飛びそうでしたがナナメになってダメでした。
おそらく脳内に何らかの異常があるんでしょうけど、うちのレベルではなんとも出来ませんし、ウイルス等が原因でしたら公衆衛生上も放せません。
決断が付かぬまま置いていましたが2日目に死亡しました。剖検しましたが、やっぱりさっぱりわかりませんでした。

何となくバランスが悪いのがわかりますかね。左に重心をかけてます。




ヒナコウモリ
4月19日


友人からメールが来ました。飛べないコウモリをひらったとか。土間に転がっていたそうです。
ギャーギャー鳴くというのでひょっとするとヒナコウモリ?と思いつつ、送ってもらうとその通りでした。
♂、13g。ちょっと細め。懐かしい顔と鳴き声でした。

怒ってます。




ヒドリガモ
4月7日


公園近くの民家で保護されたそうです。外傷もなくよく肥えた、おいしそうな子です。
捕獲時に飛んだというような話もあったので、ただ気まぐれに地上を歩いていただけかもしれません。
が、一応、お約束通り採血してみると血糖値が53mg/dl 。まだまだあまりデータはありませんが、鳥の低血糖なんて経験がありません。低血糖でフラフラしていたんでしょうか?

ブドウ糖を飲ませると翌日には293mg/dlに戻っていたので放鳥の予定 放鳥しました。
水鳥は撥水性があるうちに放さないと沈んでしまいます。プール付きの大きな家があれば、水鳥の長期のリハビリも出来るんですけどねえ。




ドバト
4月6日


公園で保護されたそうです。起きられません。写真に写っていませんが足が片一方、反対を向いています。が、触った感じでは折れている様子ではありませんでした。が、レントゲンを撮ると両方の脛骨が骨折?。
再び触診してみると、折れた骨がすでにくっついているようでした。立てない状態で10日ぐらい生きていたのではないでしょうか?
痛覚もないので神経がダメになっているようですし、野生では生きていけない、さらに立てないと糞でお尻が汚れて結局は無くなる子がほとんどですし、トリコモナスの他の子への感染が心配で飼育は断念し、安楽死しました。


口腔内の白い結節がトリコモナス