野鳥カルテ           
2004年 1−3 

2001年
 9−12
2002年 1−3 4−6 7−9 10−12
2003年 1−3 4−6 7−9 10−12
2004年 1−3 4−6 7−9 10−12
2005年 1−3 4−6 7−9 10−12





カラスの死亡         3月20日
ヒヨドリのリハビリと放鳥   3月20日
メジロ              3月18日
アブラコウモリ         3月14日
ヒヨドリ             3月9日
アオサギの放鳥        2月20日
アオサギ             2月17日
シロハラ            2月10日
ツグミ              2月2日
ドバト              2月2日
ユリカモメ のその後     1月22日

ドバト              1月21日
ゴイサギ幼鳥          1月16日
ユリカモメ            1月5日



カラスの死亡
2004年3月20日


昨年6月に来た奇形のカラスが死亡しました。
数日前より食欲が落ちておとなしくなっていました。血液検査やレントゲンでは大きな異常はなく、食事をほり込むと食べていたので様子を見ていましたが残念ながら急に亡くなりました。剖検では、肉眼的には死につながるような異常は見つけられませんでした。
ほとんど1年間のケージ暮らしで足は変形するし羽もボロボロ、おなかもすのこに当たる部分はタコのように所々固くなっていました。
幸せだったのかどうか、何とも判断のしようがありません。
まあ、本人が希望したかどうかは別にして縁があってうちに来て、それなりに機嫌良く動き回り、それなりに衣食住は足りていたのでまあ幸せだった、と思わないと・・・・・・。

在りし日の姿。




ヒヨドリのリハビリ 放鳥
2004年3月20日


骨がくっついたようですので19日にピンを除去しました。危惧していたとおり、手根関節が伸びません。猛禽にならって関節を伸ばすリハビリをはじめました。相手が小さいので力のいれ加減がむつかしい。
なんとか水平から少し上向きには飛べるようですが自由に飛び回る、というほどではありません。少し飛ぶとスタミナ切れか、警戒の声を出すだけで飛ぶのもあきらめます。
体力を付けて欲しいけど最近食事の量も体重も減少気味。果物、虫、その他いろいろ並べて強制給餌も併用しています。

3月23日
ここ1,2日のリハビリの成果(?)は極めて良好で、結構普通に飛ぶようになりました。部屋で飛ばすと高い棚の上に止まって捕まえにくくなりました。
よく食べるようになってきたので都市公園で放鳥しました。すぐに高い木の上に飛んでいったのでほっと一息。
あとは本人次第、ということです。




メジロ
2004年3月18日


ローソンの店内に買い物に(?)入り込み、出て行ってもらおうと思っていたらガラスに衝突、気を失ったそうです。
来院時はちょっと頭を傾けていましたが、ほとんど正気に戻っていました。
やっぱりメジロは和籠に入るとサマになります。ミルワームを与えると喜んで食べていました。
翌日早朝に自宅で放鳥。モモの花をしばらくついばんだ後、どこかへ飛んでいきました。
こういう救護ばかりだと楽なんですけどねえ。




アブラコウモリ
2004年3月14日


久しぶりにアブラコウモリを見つけました。自宅の網戸に止まっていました。
夜になると飛んでいくかな?と思っていましたが全く動く気配がありません。体重が3.7gしかなく、低体温。
ミルワームを絞って食べさせ、保温しましたが翌日に死亡しました。
せっかく来て頂いたのに残念な結果でした。
やっぱりヒナコウモリ科のコウモリはかわいい顔をしています。




ヒヨドリ
2004年3月9日


ヒヨドリの尺骨骨折です。
アメリカから帰ってすぐに骨折があるとは思いませんでした。
勉強したとおりに順を追って解説しますと、

尾羽を痛めないようにカバーを付けます。

尺骨と反対側の鎖骨の骨折。もちろんレントゲンは全身を撮ります。(白黒反転処理)

麻酔は気管チューブを挿入。 骨折部の切開。

手術前に写真を撮るのを忘れており、これは覚醒時の写真です。
新鮮な骨折では順行性に(肘から)ピンを挿入する事も可能ですが、この子は骨折後時間が経過(私の留守中に来院しています)しており、骨折部が固まりかけていたので局所を開けて整復しました。

ピンの代わりに注射針を使いました。矢印は刺入部位と骨折部です。きっちり合ってる、でしょ!

外固定後のレントゲン。通常は髄内ピン側にも1本入れるけど、抜けてしまいました。

実習では大型のフクロウ、タカを使っていましたので簡単でしたが、さすがにこのサイズでは細かい仕事になります。
あとは経過を観察して適当な時期にピンの除去、ついでリハビリの予定です。うまくいってくれればよいのですが。





アオサギの放鳥
2004年2月20日


傷が落ち着いてきたので放鳥しました。
最近はこの都市公園の池での放鳥が多いです。サギ類やカモ類が多数入っていますし、カワセミねらいのカメラマンが集まるポイントも池の反対側にあります。
まあ、この手のカメラマンはアオサギには無関心ですので翼に傷があっても見つかる事はないでしょう。
とにかく、再保護がない事を願っています。(ちゃんとそこそこ飛びましたし、まあ問題ないと思います。)

実は断翼したゴイサギを放鳥出来るかどうかの下見もかねてのことです。
大きな池の片側に小山があり、ここに小さなサギ山が出来ています。小山のまわりは水があり、猫は入りにくいように思うのですが。
オオタカのごはんになるのが関の山?それも自然?
私が畳の上で死にたいのと同じ感覚なら、ここで余生を過ごしますか?
スタッフその他の意見は大勢が安楽死・・・・・。

うちのバードケージとゴーちゃん。夏になるとたぶん臭うだろうなあ。




アオサギ
2004年2月17日


久しぶりの大物です。中学校のプール近くで保護されたそうです。
皮膚が壊死して肥厚しています。こうなるまでに結構、日にちが経過しているように思います。すなわち、飛べないか、飛べたとしても十分ではない状態でしばらく生活していたのでしょう。
原因がわからないのですが、筋肉もかなり痛んでいて野生復帰はむつかしいでしょうねえ。
さて、どうしたもんでしょう?選択肢は安楽死か放鳥しかありません。幸い、骨は問題なさそうですので処置後放鳥、あとはあなたの努力次第(?)、という事になるでしょう。

いつも書いていますがサギ類は目をねらって突いてきます。さらにアオサギともなるとストロークが長い。保護されるときに中学校の先生がほっぺたにケガをされていました。眼でなくってよかった。
ネットに絡んだシカを助けようとして角で突かれて亡くなった方もおられますし、罠にかかった獣を助けようとして咬まれる話がしばしばあります。みなさま、十分にご注意下さいね。

とにかく嘴をコントロールする。 上腕骨の部分です。

うちのケージでは頭がつかえる。




シロハラ
2004年2月10日


救護ではありませんが、何もないとさびしいのでここに掲載します。
愛媛産のシロハラです。知り合いから送ってもらいました。この季節、腐る事がないので普通郵便で送れます。この子は200円で大阪まで来れました。皆様もどんどんひらって博物館に送りましょう。

どういう訳か傘立てに入っていたとか。
頭部に出血があり首に外傷があったのでおそらく衝突でしょう。そのため、痩せていないし胃内容物も調査出来ます。
シロハラもよくぶつかる種類かなあ。博物館の寄贈標本でしばしば見るような気がします。

剥製の練習用に手頃な大きさ。
内臓も役立つかもしれないので保存。
胃内容物。よく見る実で、獣のうんこにもよく
入っている。(聞くけどいつも忘れる・・・。)




ツグミ
2004年2月2日


この時期、時々ツグミが来ます。どういう訳か、みんな嘴がずれています。すなわち衝突なんでしょうね。
今日の子は片方の目も腫れ上がり、視力がないようでした。
1晩経つと腫れは少しましになり、飛べるようになりましたがこの状態で野生で生きていけるんでしょうか?このまま放鳥すれば救護成績アップになるんですが。渡り鳥なので中途半端に長期飼育しても困るでしょうし。
食べればおいしいらしいですけどねえ。




ドバト
2004年2月2日


足に糸が絡んで飛べない、との事でドバトが連れてこられました。
お決まりの状態で、細い糸(釣り糸ではなく普通の裁縫の糸?のようでした。)が指に絡まり、2本は色が変わって落ちる寸前でした。
保護した場所は駅前の広場。毎日エサを撒いているそうです。
”こんな子がいっぱいいるんですよ、かわいそうに”、っておっしゃっていましたが、公的な場所で鳩にエサを与える事が良いのかどうか、そちらの方が気になりました。
まあ、今はやりの鳥インフルエンザではないけど、ドバトは公衆衛生上の問題もあるのでわざわざ給餌するのはちょっと問題があるのでは?と思ってしまいます。もちろんその方が給餌をやめても大阪のドバトが減る、というのでもないのですが。




ユリカモメ のその後
2004年1月22日


結局、骨折部位が壊死したため断翼することになりました。最終的にどうするのか、決断が付かぬまま飼育する事がいいのか悪いのか、こういう活動をしていると常につきまとう問題です。個人ではすでに限界かもしれません。突き詰めれば、放鳥出来そうになければすべて初診の段階で安楽死と言う事になるんですがねえ。
昨年のユリカモメは出身地の岸和田で飼われています。うちでは魚を与えていましたが、そこでは主食はキャットフードになっているらしいです。うんこの臭いがましになるかもしれません。
実は先日のゴイサギもいずれは安楽死かも、と思いつつ、何となく飼育しています。以前にも書きましたが都市公園で飛べないカモが長期間生きているケースが時々あります。断翼したゴイサギやユリカモメが生きていけるのかどうか。

(その後、ゴイサギと同居させて飼育していましたが残念ながら死亡しました。かなり痩せていたので、ゴイサギにいじめられて食事が取れなかったのかもしれません。)


ドバト
2004年1月21日


飛べないハトがいた、とのことで連れてこられました。肩関節が不安定で、レントゲンにより烏口骨の骨折を確認しました。胸を強打したときに力がここにかかって折れるようです。外傷がないのに飛べない鳥ではこういう例が多いです。
変位が少なければそのまま固まるのを待てばいい、と専門書には書かれているけれども、たいていは折れるぐらいの強い力がかかっている訳で骨の変位も大きく、飛べるようにはならないようです。
このまま公園に放す(正確にはほかす?)か、安楽死か、思案しつつ、試しに整復手術をしてみる事にしました。
筋層を分けるときれいに骨が出てきます。真ん中の骨片がバラバラすぎて整復出来ず、両端をピンでつなぎました。
技術的にはむつかしいところはなさそうで、野生復帰を考えるなら積極的に取り組んでもいいような感じでした。

手術自体は短時間で麻酔も特に問題もないように思っていましたが麻酔から覚めずそのまま死亡し、結果的には安楽死になってしまいました。鳥での麻酔事故はほとんど経験してません。大変残念な事をしました。

実際のレントゲンではよくわかるんですが。2カ所の骨折と、3つに分かれた骨です。

これも実際に手術しているとよくわかります。(当たり前。)




ゴイサギ幼鳥
2004年1月16日


前日の夜にメールを頂き、翌日(今日)にずいぶん遠くから連れてきて下さいました。Tさん、ありがとうございました。
ゴイサギ幼鳥の上腕骨骨幹骨折でした。が、骨は完全に折れ、骨全体がほとんど全部飛び出し、乾燥し、皮膚数mmでのみ胴体とつながっている状態でした。はさみでちょん切り、1秒で断翼手術が終了しました。
かなり痩せているので、この状態でしばらく(数日間以上?)生きていたのでしょう。本当にゴイサギは強い鳥です。

魚食性の鳥は糞の臭いがすごいのでペットとしては不向きですし、特にサギ類は目をねらって突いてくるので危険です。
選択肢は安楽死しか残らないかなあ。

元気そうなだけに、一番つらい症例です。

怒るとパンク頭に。 断翼後。

これでは試しに手術、と言う気も起こりませんでした。




ユリカモメ
2004年1月5日

上腕骨の骨折です。元日に家の前の池でひらったそうです。
とりあえずピンニングしましたが、開放骨折で時間が経過しているのでおそらく無理でしょう。
最終的に断翼せざるを得ないと思います。
白菜をもらっていました。これもまあ、よくあることです。

右翼を下げる。 骨折部位。

ちょっとピンぼけですが、場所的には治しやすい場所の骨折でした。