シドニー 


2011年10月13日ー17日




事の発端


娘が、5月よりワーキングホリデーでオーストラリア、シドニーに住んでいます。10月に用事があって一時帰国し、再び帰るのにあわせて観光旅行へ行くことにしました。これが、アメリカなんかだったら行く気にならなかったかもしれませんが、シドニーは、約30年前に新婚旅行で行った町です。といっても、何も覚えてはいないのですが。ひょっとすると、当時を思い出すのかなあ、と思ったことも、行く気になった理由の一つです。

オーストラリアは物価が高く、娘にとっては、日本の食べ物や、消耗品のたぐいを運んでもらう目的もあって「招待」してくれたようです。もちろん、こちらにとっては向こうでの言葉の心配もいらず(まだ、何ヶ月しかたっていませんが、まあ、何とかなるのでしょう)町を案内してもらえるので、いわゆるオプショナルツアーのような余分の費用がかからなくてすみます。

時系列は無視して、行ったところ、思った事なんかを適当に思いつくまま、書いていきます。


飛行機・中国南方航空

必要なのは、往復の航空券と宿泊だけになりますが、個人で手配するだけの力量もなく、また、別々に個人で取るよりもツアーを利用する方が安いし、便利だそうです。宿泊のみのツアーを妻が探してきました。ネットやDM、パンフレットを山ほど眺め、安いところ、安い日程を探していました。
「安いから、〜でもいいかなあ」というのを、パソコンをしながら聞き流し、「何でもええ」、との返事をしていました。

直前になって行程表を見ると、「中国南方航空」を利用し、広州で乗り継ぎ、となっています。関空からシドニーへの直行便がないのは知っていましたが、なんでわざわざ中国へ寄るの?、しかも、聞いたことのない航空会社で大丈夫かなあ、と思いました。まあ、あとから思うと、しょっちゅう「墜落」するような航空会社なら、名前は聞いたこともあるでしょう。こっちは、オーストラリアだから、当然、ジェットスターか、カンタスかなあ、と漠然と思っていました。ちなみに、帰りに現地の旅行会社の担当に聞いたところ、最近のカンタス航空はめちゃくちゃで、前日の帰国便は、乗客も搭乗した後に
飛行がキャンセルになって、全員ホテルに戻って翌日便に回されたそうです。一応はこうして無事に、時間通り帰れたので、まあ、よしとしましょうか。

なぜか、人もまばらで暇そうな国際便の出発ブース。


関空から夕方の便で、とりあえず広州まで飛びます。最初は感覚的に、南方向に行くのに何で先に西へ行くのか、と思っていましたが、地理的には南西方向になるのですね。知りませんでした。

飛行機に乗って、座席の前を見るとテレビがあります。まあ、国際線なんで当然だろう、と思いつつ、タッチパネルをつつきますが、反応が悪い。爪を立てたり、思いっきり押したり。
で、いつまでたってもイヤホンが配られません。他の座席を見ても、誰も、もらっていません。しびれを切らした他の乗客が乗務員に聞くと、「I don't know」と言われていました。

座席の前を見ても番組表があるわけではなし、暇なんであちこちつついていると、「フリーズ」して、動かなくなりました。妻の方は文句を言うと、どこかへ行って機械を操作したのか、「再起動」的な画面になって、もう一度動き出しました。私の方は、どうせ見る番組もなく、疲れるだけなので諦めてしまいました。

(左)食事は、まあ、そこそこおいしかった。
(右)広州の手前で、ずっと別の飛行機と並んで飛んでいました。


日本人的には、こんなシールの張り方、許せないんですけど。


旅行慣れしているわけでも無く、広州での乗り換えがどうなるのか、と思っていましたら、関空で搭乗手続きをした際に、「このシールを胸に貼っておいて下さい。乗り換えをご案内します」といわれ、少し安心しました。もっとも、乗り換えに2,3時間あったので、どうにかなるだろうとは思っていました。
で、広州に着いて飛行機を降りても、誰も寄ってきません。とりあえずみんなの行く方へ歩き、
TRANSIT と書かれた方へ行ったので何の問題もありませんでした。日本じゃ、乗客の名前を書いたカードをかざして係員が待っていてくれるシーンか、とも思っていたのですが。

で、次の乗り継ぎ便の、搭乗口の番号が航空券に書かれていません。「南方航空」の札を下げた姉ちゃんを捕まえて、番号を教えて、て聞くと、「知らない、ボードを見て」って、言います。目の前にボードがあるんだから、それを見て教えてくれてもいいのにねえ。ちなみに、これは帰りも同じでした。

広州からシドニーへの飛行機では、さすがにそんなことはないだろうと思っていると、今度はテレビそのものがありませんでした。そのくせ、今度はイヤホンが配られます。天井からテレビがぶら下がる形式で、映画をやっていました。日本語の音声も流れていました。が、さっぱりおもしろくない映画でした。音楽は、例の中国風のちゃらちゃらした音律の音楽ばかりで、しかも隣の人がそれを大音量で流しているのが漏れて、キーキーうるさいだけでした。

シドニー便。
テレビは、「代表」がいくつかぶら下がっているだけです。


(左)広州を出てすぐに、2度目の夜ご飯。
(右)こっちは、朝食。これもおいしかった。


ちなみに、帰りの飛行機ではタッチパネルのテレビがありましたが、日本語の番組はなく、おもしろそうな番組もありませんでした。
映画では、地底の洞窟探検していると急に雨で増水し帰れなくなり、奥の方へアクアラング等で潜っていき、最後は一人だけ生還する、というのをやっていました。コウモリをやっているので、何人かに見に行ったのか、との質問があった映画です。興味があって前評判なんかを調べていると、あまり高い評価がなく、結局見に行かなかったので、これで見た気分になるかと思っていましたが、字幕が中国語じゃ、あまり理解できません。英語を聞きつつ、中国語の漢字で雰囲気を理解しようとしていましたが、ほとんどわかりませんでした。

他に見る物、する事もなく、仕方なくこの映画にチャンネルを合わせていました。最初の場面、最後の、地上へ戻る場面ばかり、数回は見ています。

帰りの、広州から関空までの飛行機はいくらか新しい感じで、今度は日本の映画もいくつか、上映されていました。今度こそゆっくり見られるか、と思っていたら、前の座席の人が思いきり座席を倒し、テレビがすぐ目の前に来るし、なんだかんだで、さっぱり気合いも入らず、見たり寝たりで、結局、時間つぶしにもなりませんでした。


広州から関空までで出た食事。フィッシュかチキンか聞かれ、私はチキン、妻はフィッシュを選びました。ウナギって言ってくれたら、私もそっちを選んだのになあ。


(左)やっぱり、シールがゆがんでいる。
(右)反応が悪いテレビ。


広州国際空港


(左)地名表記がおもしろい、ですね。行きに、「河内」と書かれた行き先があり、英語では「ハノイ」と書かれていました。撮影しようかと思ったけど、中国でカメラを出すと逮捕されるかと思って、行きは撮る勇気が出ませんでした。
(右)帰り、5時くらいに空港着。乗り継ぎ便が9時で、それまでこのあたりをうろうろ。店は7時に開くと書いてあるのに、早いところは6時30分くらい、遅いところは8時くらいに開店していました。
レジの近くでうたた寝している兄ちゃんや、商品の本の上で何か食べてる姉ちゃんもいて、まあ、国によって店員もいろいろですね。


とにかく、広い。はるか向こうに着陸していると思ったら、別のところから離陸していたりして、こんなん、とても、ハブ空港として関西空港が太刀打ちできる相手ではないです。


機内持ち込み手荷物用の秤、です。別のところに、大きな、風呂屋にあるような秤もありました。思わず乗りたくなったら、乗るな、って絵が大きく書かれていました。




トイレ

だから何?、って言われそうだけど、トイレについて、いくつか。

(左)そういえば、新婚旅行で初めてオーストラリアへ行ったときも、最初にこのトイレに入ってびっくりしたような気がします。便器の位置が、とてつもなく高いのです。一瞬、届くのかなあ、という不安が・・・・・。これって、「漏れ」防止なんでしょうか。子供はどうするんだろう、って、大便器を使うしかないですね。
(右)と思ったら、他の場所ではこんなトイレ。ここも、最初、戸惑いました。どこへ立てばいいのかなあ、って。たぶん、「網」の上?日本じゃ、こんな形式は、とてつもなく古い公園なんかでしか見ないんじゃないかなあ。


これは、そのうち書く、鍾乳洞にあったトイレです。自然の岩場をそのまま使った感じのトイレ。これはこれで、ちょっと風流。



シドニーの空港にあった表示。トイレとシャワーが混在しているの?確かめようと思って、忘れていました。他のトイレの表示では、こんなのは無かったように思うのですが。洗面所があるって事かなあ。でも、トイレに手洗いがあるのは常識だし。


ちなみに、中国のトイレには間仕切りがあります。おおざっぱな国、と思っていたら、トイレは別格。



町の中

ロックス、という地区です。誰だったかが、最初に上陸したところ。オーストラリア発祥の地、とでも言うのでしょうか。でも、アポリジニから言えば、その何千年も前からここに住んでいたわけで、考えようによれば微妙な話になります。


(右)電話ボックスの上に、鳥の巣がかけられています。誰かが利用するのでしょうか。


娘の案内で、ロックスにあるホットケーキ屋(?)に行きました。おいしかったけど、量がけっこう多い。



(左)「The SALE」の大きな垂れ幕がくっついています。ここ、何だったんだろう?


「ディカプリオ絶賛の、朝食の店(?)」というのをガイドブックで見て、電車に乗って出かけてみました。一見普通の、小さなお店ですが、朝の9時過ぎで、もう満席でした。しばらく待っていくつかを注文。ここも、けっこうな量がありました。朝からこんなのを、こんな量食べると、太りそうです。


で、ハーバーブリッジ。
(右)橋脚の上に、ゴマ粒のようなのが見えるでしょうか?橋脚の上、旗が見える、一番上まで歩けるのです。これも、けっこう高かったような気がします。もっとも、行く気になんて、全然なりませんが。


どこの国にも、中華街というのが出来るようです。


安いからか、けっこう賑わっていました。ラーメンのような物と、焼き肉のような物を頼んでみました。
(右)鉄板をいやというほど焼いた上に調理した食材を乗せるので、一瞬、前が見えないほど「煙」が上がります。周りから、注目の的になりました。


(左)あちこちに、大道芸人がいます。
(右)こちらは、アポリジニーの、音楽。一番、人だかりが出来ていました。
ちなみに、ホームレスもそこそこいて、普通の兄ちゃん、おっちゃんが防止や箱を置いて物乞いをしていました。


シドニーでバスに乗れるようになったら、現地に溶け込んだ証拠、と言われるそうです。日本に比べるとずっと長いバスや、2連のバスが走っています。行き先は番号で確認するらしいけど、詳しい路線図があるわけでもなく、普通の観光客じゃ、とても利用できません。

「一週間乗り放題パス」というのがあって、事前に娘が買っていてくれました。3〜4000円だったかなあ。バスと電車、フェリーまで乗れます。
せっかくパスがあるので、一区画移動するだけでも利用していました。娘にしても、路線を完全に把握しているわけではなく、とりあえず雰囲気で乗って、違うところへ行きそうになるとあわてて降りる、てな事を言っていました。


(左)天井に非常口が付いています。こんなん、利用する事があるんでしょうか。また、ガラスにも「非常口」の表示があり、内側に、ガラスを割るトンカチが常備されています。
(右)車内には、監視カメラとテレビが付いていて、車内の様子を常に写しています。治安が良いとは言っても、「痴漢」はいるのでしょうか。あるいは、予防策なのか。


何とかという駅です。
映画に出てきそうな雰囲気。



(たぶん)ほとんどの電車が2階建て。
自転車の持ち込みが可能で、固定する柱まで付いています。





町中は、カモメが、こちらのドバト様にゴミをあさったり、お菓子をもらったりしています。ちなみに、目つきが悪い(いわゆる三白眼)ので、ウミネコかと思いましたが、体の色は違うし、何だろう?、と思っていました。かえって調べると、ギンカモメ、って種類のようでした。
ドバトもマレにいるのですが、数は非常に少なかったです。どうして日本のように、爆発的に増えないんでしょう?


(左)たぶん、イエスズメ。日本のとは種類が違うと思います。ちなみに、これも非常に少なく、町中でいつも見る、と言うものではありませんでした。
(右)キバタン、ですね。日本じゃ、何十万円、という札が下がる鳥が、あちこちに野生で見られます。なんだか、不思議な感じであるとともに、思わず捕まえたくなりますね。


クロトキも、日本で言うドバトの位置にいます。お菓子をねだったり、ゴミをひらったり。
真っ白の子は珍しく、みんな薄汚れているのがなんだか悲しいです、ね。




オオコウモリ

「オオコウモリが某公園のどこそこに何百といる、お父さんがコウモリ好きなんだったら連れて行ってあげたら?」、と、ホームステイしている大家さんに言われたそうです。で、娘の案内でそこへ行ってみると、おっしゃるとおり、コウモリがあちこちにぶら下がっていました。


いやー、こんなに大きいとは思いませんでした。私にとってはこんな風景、大感激でしたが、誰も知らん顔です。現地の人にとっては普通のことだし、オオコウモリじゃ観光地にもならない、と言うことでしょうか。ちなみに、コウモリにちなんだおみやげを探しましたが、見つけられませんでした。




ロブスターと夜景(失敗!)

ツアー会社が、ロブスターの食事と夜景見学のオプショナルツアーを、しつこく勧めてきました。「貧乏学生」の娘じゃ、シドニーに住んでいても、とてもロブスターには手が届かないだろうし、まあ、案内料に招待して、こちらも一食ぐらい贅沢しようか、と申し込んでみました。
140ドルだったかなあ、1万円ちょっと。

結論から言うと、とてつもなく高い!あー、もったいなかった。
おいしいけど、それだけの価値があったのかどうか、ちょっと疑問。



で、ツアーのおまけの、夜景見学。
「「世界3大夜景」は、シドニー、リオ、香港です」、との説明でしたが、実際に見ても、あまり感激はありません。気になって、帰ってから調べると、そんなん、どこにも書いていません。函館、サンパウロ、香港、シドニー、ナポリ、ラスベガス、・・・・・、いろんな地名が乱立していました。


ちなみに、政府は電気代を負担してまで、オフィス街の電気を点灯させているそうです。



スーパーで

スーパーで見かけた、驚いたもの。これって、犬用のハム?こんなに大きいの?大丈夫なのかなあ。
と思ったけど、本当にハムだったのだろうか?


牛乳。いくらくらいだったか、記憶にありませんが、大きなサイズはこんなので売っているんですね。
ちなみに、おいしかったです。
そういえば、飛行機の中で飲んだ(たぶん)中国の牛乳は、薄かったような気がします。






いろんな形の船が、あちこちから出航します。普通に、足代わりなんですね。


軍艦と潜水艦が並んでいました。あとで調べると、博物館的な施設だったようです。


ここも有名な店らしいです。同じような店が他にもあるのに、ここだけ行列。日本と同じ光景ですね。
フィッシュ&ポテトを一つ買うと、3人分の昼食になりました。



ということで、

長かったような、短かったような旅行も終わりました。
私が二晩過ごした、ホテル、の床。娘と妻がベッドで寝て、私は床の上。



結局、約30年前の新婚旅行の事は、何も思い出しませんでした。
旅行そのものは、さすがに案内人がいると効率も良いし、バスに乗ったり、電車に乗ったり、安心して町中をウロウロ出来ました。結果的に、動物園ばかり行ってたようで、妻は若干、不満があったかもしれません
でも、いわゆる観光名所と言っても、古い建物だったり、博物館だったりして、正直、あまり興味はありません。

あと、海岸でバーベキューとか、別の水族館とか、まだまだ遊ぶタネはあったそうですが、さすがに時間が足りません。まあ、非常に楽しい時間を過ごせたと思います。
外国の風景を見られたことはもちろんですが、娘の成長というか、今まで知らなかった面を見られたことも、大きな収穫ではあります。

ちなみに、来年の秋に、オーストラリア北部で、皆既日食があります。ワーキングホリデーは、原則的に1年。農場実習をすると2年に延びるようですので、それを使って日食まで滞在するように娘に言ってますが、本人は帰りたがっています。
さて、来年の今頃、同じような報告が出来るかどうか・・・・・。



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