大和川の自然                 


     2006年8月



博物館の特別展です。特別展にもいろんなのがあり、会場を貸すだけ(恐竜展みたいなの)だったり、巡回展だったり。今回は純粋に「オリジナル」です。何年も前から調査が始まっていました。友の会会員からも有志を募り、プロジェクトと称して調査をみんなでしていました。参加した身にはいろいろ思い入れがある特別展です。

大和川といっても大阪以外の人にはほとんどわからないでしょう。一応1級河川(のはず)。大阪の人にとっては「きたない」で有名です。常に水質ワースト10に入っています(というより、常に1,2番)。


今回の特別展では実物が多いのも特徴です。水槽がいっぱい並んでいます。
オオサンショウウオ調査でも魚はよく見るので、しっかり勉強しようと思ったけどいきなり全部は覚えられませんわ。


一番客受けが良いかもしれない。週末には「餌やりショー」も行われているとか。
左は淀川河川敷を歩いていたとかいうカミツキガメ、右はワニガメ。ワニガメの背中の上には金魚が見えます。もちろんエサ用。生きてるうちはカメの背中の藻を食べて、大きくなったらカメに食べられる?


協力者として名前が乗るのはまあ、うれしいもんです。
平日は人の入りはこんなもん、らしい。


大和川は人工河川です。堺港はこのために土砂で埋まり、栄えていた堺が斜陽の町(?)になっていくのです。


奈良盆地の支流も人工河川、というか、かなり人の手が入っているようです。


特別展直前に見つかったササゴイ情報も盛り込まれています。あと1ヶ月早ければ解説書にも載ったのに。残念。


大和川本流でもアユやウナギが見つかっています。


支流上流にはムカシトンボもいるそうです。


カブトエビも2種類いるそうです。


めずらしい魚が見つかったそうな。が、発見場所は内緒。
サンショウウオは見つかっていないみたい。


例によって例のごとく、外来種も増殖中。あちこちでアライグマ(の痕跡)が見つかっています。
さらにホソオチョウという、外来のアゲハチョウも有名になりつつあります。
また、外来の魚もいっぱい取れました。


熱狂的ファンが出来た「ふんどし洗い」による、ヒメドロムシ採集風景。
タオルを流して川上で足で石をかき回します。ヒメドロムシなる甲虫が流れ出しますがタオルにしがみつき、それを採集します。なんせ1mm前後の虫です。老眼の年寄りにはとても出来ません。同定も実体顕微鏡が必要です。


特別展では昆虫研究室のSさんがいつも趣向を凝らしたコーナーを作ります。
これはホタルの里の再現です。実際は真っ暗な中にお尻の光るホタルがいっぱいいます。会員と共に作ったそうです。木は紙製。バックにせせらぎの音。


これはヒメドロトンネルとなっていますが、


ホタルで力尽きたんでしょうか?


実物標本の強み、というか、重要性。


で、最後は、最近の河川敷ではこういう問題点もありまっせ、という話。どこでも親水公園を作りたがるんですね。


ということで特別展の紹介もおしまいです。
大和川というより奈良盆地の生物調査みたいなもんでした。人工河川であることとなんできたないのか、というところにもっとスポットを当てても良かったのでは?
もっとも、こういうとらえ方をした学芸員もいるんですが。

大和川水系の酒蔵、だそうです。