豪雨の友が島  


2016年9月10日〜11日


友が島でナイトハイクできるかどうか、下見に行きました。

まず、近所のコウモリ調査をしました。


希望通り、多数のコウモリがいました。みんなすぐに飛んでしまいました。

 

 


さて、いよいよ友が島へ。現在、友が島汽船は2隻の船を持っているそうです。
(左)少し小さめの船です。うしろに、「ラピュタ」と書かれていました。


こちらが従来からの船です。名前も「友が島」だったかなあ、たぶん。
ちなみに、夕方の船で渡るのは私以外に3人いました。それらのおっさん、おばはんは、友が島唯一の宿泊施設に行ったみたいでした。

 


(右)船が揺れるから椅子に座れ、と言われ、向こうを見ると波の立った海面が見えました。いわゆる「潮目」なんでしょうか?


桟橋に付くと、すごくいっぱいの人が並んでいました。もちろん、日帰り客です。
降りたのは前記の通り、4人だけ。

 


最近は時刻表とは関係なしにピストン輸送しているんだそうです。これが本日最後の帰り便でした。

 


船が出ていくとほとんど人はいません。宿泊施設の近くに3,4人がくつろいでいるだけです。それを知ってか、シカがあちこち顔を出していました。子連れでかわいい。


タイワンリスもあちこちで見られました。
(右)建物付近で給餌しているみたいです。


こっちは宿泊施設の前庭、みたいなところ。クジャクとリスがエサを食べに来ています。


夕暮れに何か所かを歩きました。
ちなみに、この砲台は崩壊が半端じゃない、波の力ってすごいなあ、って思っていたのですが、戦後に進駐軍が再利用できないように破壊したんだそうです。それで納得。

 


「海に沈む夕日」を見ようと思ったら、淡路島の山ん中に沈んでいきました。


ちなみに、今日の宿泊はここ。この時はルンルンで、余裕の気分でしたが・・・・・。

 


本日のディナー。キャンプはカレーに決まっています。


すっかり日が暮れて再び散策、本来のナイトハイクに出発です。

どこの砲台跡だったかな。なんで穴となると、ゴミをほりこむのでしょう?

 


(右)伝声管、だと思います。


これは雰囲気のある遺跡ですね。前の隙間から海を監視したらしい。外国船なんて来なかったので実戦はありませんでしたが。


これも海を監視するなんかの施設があったところです。聴音所、ってなっていたっけ。


(右)煉瓦作りにコンクリートを巻いているみたいです。


登録文化財になっているという灯台です。


真ん中に電球があり、回りを遮蔽物が回っているんだと思ったら違うんですね。しかも2種類のパターンのライトがぐるぐる回っていました。


翌朝に撮影した灯台の近くの広場です。看板の裏表で数字が少し違うのはどうしてでしょう?
子午線最南地、って何のことか、最初はわかりませんでした。要するに、子午線はここ以南はずっと海の上、ということなんだそうです。


灯台に行った後、雨がひどくなってきてテントに避難していました。途中で雷も鳴り出し、一時トイレにも避難していました。
朝3時ころに雨脚がちょっと弱くなり、本来の目的のナイトハイクに再び出かけました。

とある砲台跡に入ると、コウモリが飛んでいてびっくりしました。


友が島ではいつもキクガシラコウモリしか見ていないのですが、なんだか飛び方が違うコウモリもいます。
何度かシャッターを切って帰って確認するとかろうじて何枚かの写真にコウモリが写っていました。
たぶん、これはキクガシラコウモリでしょう。


この翼形はユビナガコウモリじゃないかなあ。


「奇跡的」に壁にくっついたコウモリがいました。
やっぱり、ユビナガコウモリです。


こうなると明らかにユビナガです。


たまたま雨が降っていたので雨宿りしていたのか、ふだんからナイトルースト(夜の休憩場所)として使っているのか、大変興味があります。そもそも、友が島の穴のタイプはユビナガ向きではありません。ひょっとすると、まだ私が知らない防空壕なんかが島内に残っているのかもしれません。いずれにしてもこの発見には興奮しました。


地下遺跡でクサガメを発見しました。大きな子でしたが、ここの階段はとても登れないでしょう。
救出して草地に置いてきました。


小雨の中をひととおりぐるっと回って、テントまで戻ってきました。
中で寝ているときは気が付きませんでしたが、テントを張った場所はこの近くで一番低いところだったようです。池の中で寝ていたようなものでした。テントの性能が良かったためか、もちろん濡れるようなことはありませんでした。

 


夜が明けると、再びあちこちでシカを見られるようになりました。


これは親子らしい。

   


もちろんリスもあちこちで走っています。

 


コウモリのみられた砲台へももう一度行ってみましたが、残念ながら誰もいませんでした。


「将校の住宅」だそうです。

 


立派な玄関に、床の間のある部屋です。


台所、でしょう。

 


長かった島での滞在もやっと終わりました。仕事があるので第1便で帰ります。
平日の第1便というのに、満員に近いお客さんが降りてきていました。帰りは私一人でした。


「虎島」へ渡る「通路」です。虎島には大きな穴があり、時期によってはコウモリが生息しているみたいですが、この通路が満潮だと水没するのです。今回は一人ですし、万が一を考えて渡りませんでした。


虎島は修行の場所にもなっているそうで、なんとか窟という修行の場所が2か所あります。自然洞穴なら見に行きたいところですが、どうも岩の隙間みたいな雰囲気です。
しかも一か所は岸壁の途中で、ザイルが必要と書かれているHPもあって、こっちには行けずにいます。


長かった「ナイトハイク」もやっと終わりました。本当は8月に来たかったのですが。
観察会としてはタイワンジカ、タイワンリスと外来種ばかりの観察ではありますが、まあ、それなりに面白いものでした。
なんといっても、夜のキクガシラコウモリの飛翔、ユビナガコウモリの記録が大発見でした。

さあ、行事として夜中過ごすことが可能かどうか、今後の検討課題となりました。