天王寺動物園

      
2014年2月13・16日
 


月例ハイキングで動物園に行くことになり、13日に下見へ行ってきました。
平日の寒い日ではありますが、人が少なくって驚きました。また、少し歩いて、動物が少ないのにも驚きました。

(右)昔、誰かが飼われていたスペースです。ここはかなり前に広場に変わっていました。
(左)シマウマの飼育スペースでした。ただ、ここは死んだんじゃなく飼育方法、場所を移動したので空きスペースになりました。


(左)トラがいたケージ。
(右)たぶん、食肉目(というか、ネコの類)がいた部屋


たしか、まだホネホネ団には来てなかったように思います。まだ研究中か、冷凍庫かなあ。


こんな看板ばかり「展示」されててもねえ。
クロサイは博物館で引き取りましたがチンパンジーは別の専門家のところへ行ったそうです。


(右)
ボルネオオランウータン  サツキ  2012.9.25
チンパンジー   アップル   2012.11.2
アミメキリン  ケニア      2013.11.25
フタコブラクダ  コニー     2013.5.14
メガネグマ  ペギー       2013.6.2
ウンピョウ  フーシ        2013.6.12
コアラ   タラオ          2013.6.23

慰霊碑の横に張られていた写真です。


ここのオランウータンの「起源」は違法飼育個体の保護だったと思います。今でもワシントン条約や国内外の法律で規制されている動物が税関や国内で摘発されると、飼育放棄されてそれらが動物園へ来ることになります。本来なら飼育者、輸入者の責任で原産国へ帰すべきだと思うのですが、そういう事例はいまだに1例か2例しかなかったはずです。

動物園側もこういう珍しい、入手困難な動物が来ると陰で喜んでいるのかもしれませんが、ホシガメのようなよくある動物では、バックヤードの飼育施設がそれらであふれかえるという現実もあるみたいです。


これだけ立派な「入れ物」を作ったのにさあ、これから先、生き物が入るアテはあるのでしょうか?


動物園と言えばサル山、ですが、結核が発症した子がいくつか出て、他の子も安楽死したみたいです。もう何年も空き家です。


アイファーという、爬虫類の飼育施設です。
できた時はすごく人も入っていましたが、ここも「生き物」が激減りで、当時の見る影もありません。
(左)一階は日本の里山を想定しているんだったか。こまごまと、当たり前の生き物を飼育していたように思うのですが、白地の看板だけが残されています。
(右)タガメや水生昆虫も飼われていたのですが、今は何にもいません。


(左)魚がいっぱいいてカワセミが飛んでいたのですが。今は何だったかなあ、魚がちらほらだけ。
(右)ここも昔は魚で向こうが見えないくらいでした。


(左)沖縄か南西諸島を想定して展示でした。いろんな色の熱帯魚が泳ぎまわっていました。ウミガメも元気に泳いでいましたが、今はタイマイが隅っこで寝ているだけ。青い魚が数匹。
(右)奥の高いところになんかの飼育容器があるんだけど、これは以前から何がいるのか、さっぱりわかりません。ヤシガニの看板がかかっていたけど、どこかにいるのかなあ。


ベンガルヤマネコ。種類的にはイリオモテヤマネコ、ツシマヤマネコと一緒なんだけどなあ。ほとんど見えないところで寝ています。


クロサイの飼育場所です。探しても見えません。
右奥の隙間にいつもいるみたいです。新聞記事が張られていて、この向こうに高齢になって展示が困難になったメスのクロサイがいるので、それに寄り添うようにいつもここで過ごしている、てな解説でした。あんまり人間的な話を持ち込んで欲しくない気もするんですけど、まあ、事実は事実かもしれません。で、その相棒はつい最近、博物館に来てしまいました。


クロサイ的には隠れるところがあって良いのでしょうが、見に来た「お客さん」はみんな残念そうに、すぐ場を離れていました。


キリンも相次いで亡くなり、一時、「キリンのいない動物園」になっていました。最近、姫路セントラルパークだったかなあ、若い子が入ってきたみたいです。
キリンは比較的、国内で供給できている大型動物だったと思います。


「鳥の楽園」です。昔は野生のアオサギがケージ上でたくさん繁殖していましたが、すべて撤去したみたいです。
中に入ると「白い鳥」ばかりでびっくりしました。コサギばかりです。


こっちもコサギとアオサギばかり。どうも、ケージ内で繁殖しているみたいです。


シュバシコウ、だったか。昔はこの鳥があちこちで巣を作っていたんだけど。


アシカの池に行っても誰も泳いでいませんでした。なんでかなあと思ってよく見てみると岩の上や陸上で寝ていました。
昔は前でアジを売っていたので、一日中泳いでいたのでしょうか。アオサギやゴイサギもいましたが、多くはありませんでした。


今は動物園の看板になっているゴーゴ君です。今年は繁殖失敗だったとか。


インド象が二ついますが、両方ともかなり高齢です。メスどおしなんで当然、繁殖することはありません。
次の代はどうするんだろう、っていつも心配になります。あちこちの動物園でゾウの飼育施設が、「骨格標本の展示施設」に変わっています。ここもいつかはそうなるのでしょうか?


ラクダも野間馬も、一人で飼育してても次の代が育ちませんよねえ。ちなみに、野間馬はペアで来たけど、直後に亡くなって博物館へ来ていたように記憶しています。ラクダの相棒はつい最近、博物館へ来ていました。


エサも与えられるし、こういう家畜飼育が動物園の主流になるような予感があります。
子供に受けるし、それはそれで良いのかもしれません。安定供給出来ますし。

ハイラックスが新しく来ていました。どこかの企業がスポンサーになっていたみたいです。ちなみに、この動物、体は小さいですが有蹄類に属し、長鼻類に比較的近縁なんだそうです。ゾウの友達です。長鼻類と同じで第2切歯が大きいのも特徴だそうです。この子がゾウと言われてもねえ。
みんなそこまで理解して見てくれてるのかなあ。


いつかは、こんなのが動物園のメインになるのでしょうか。


もっと来ているように思っていましたが、園内を歩くのは久しぶりだったみたいです。空きケージと訃報の看板ばかりが目立って驚きました。また、見慣れた動物がいないのにも驚きました。あっちにはこれがいたはず、こっちにはこれがいたんだけどなあ、という「昔話」ばかり、思い出してしまいました。

日本中、どこの動物園でもいわゆる大型の野生動物は高齢化しており、亡くなると補充が困難になっています。昔は「飼い殺し」でもすぐに次の若い子が輸入されていましたが、最近は非常に困難になっています。あと何年かすると、日本中の動物園からゾウやキリンがいなくなるのかもしれません。

繁殖目的で動物の貸し借りも行われてはいますが、なかなか次の世代が育っていないようです。逆に繁殖率がよすぎると同じ血統の動物ばかり増えて、それはそれでまた困ることになります。

そうそう、コアラ館も一時はすごく人が入っていましたがコアラの数も減って、飼育スペースが広く空いてさびしくなっていました。コアラは飼育費用がものすごくかかるので飼育数が減ることは良い面もあるのかも。コアラが入ってきたもの一時的なブームで金に糸目を付けず施設を作り、輸入していた感じでした。「あんなん来ても集客能力は一時的だし、オーストラリアは飼育に文句ばかり言ってくるし、あんなオーストラリアのタヌキみたいなもんいらん」って、亡くなった森本先生がいつも話してました。立派な施設に冷暖房、餌代に何千万円、さらにガードマンを一日張り付けて、って、本当に無駄ですねえ。
ちなみに、コアラも何頭も博物館で標本にしています。すごく人気者だった子も今、博物館の冷凍庫で眠っています。悲しい。



新聞報道では、橋下市長が天王寺動物園をテーマパーク化する構想を持っている、てな話が載っていました。それが意味する事はよく分かりませんが、今のままで良いはずはありません。かといって、現場サイドの意見では、お金がない状況では現状維持で精いっぱいなのかもしれません。
ただ、民間の動物園やサファリパークではそれなりに生き残っているところもあるので、やり方なんでしょうか。

アイファーなんではいかにも手作り感のある解説や看板、展示がありましたが、努力は努力として認めはしますが
肝心の展示があんな状況じゃあまりぱっとしません。爬虫類なんかではマニアの方が何歩も進んでる感じです。それらの技術をこっちに持ってこられないのでしょうか。

なんだか、すごく楽しみにしていた「天王寺動物園ハイキング」が暗い気持ちになってしまいました。
さあ、どうやって一日を過ごすかなあ。




16日

行事本番の日です。
なんと、120名の参加者。忙しくて、あまり写真は撮れませんでした。

昼休みに専門家の方と散歩。ワニの後肢、一本の指には爪がありません。ご存知でした?
知っていたからどうというものでもありませんが。


動物園の獣医さんに、あちこちで話をしていただきました。


こちらではゾウの専門家から話を伺いました。


アジアゾウはメスが2頭です。お互い、仲は良くないそうです。
二人とも、かなり高齢です。


こちらでは、アシカの説明。


昔は前でアジを売っていましたが、今はなくなっています。
ちょうど食事の時間でした。バケツから大量にほりこんでいます。ゴイサギ、アオサギは人間を警戒してか、あまり横取りはしていませんでした。