making of 探偵ナイトスクープ       
 
                         
2004年9月25日 



昨日(24日)の放送はいかがでしたでしょうか?
見てない人は こちら。(←昔、動画を掲載していたんだけど、どこへ行ったかわからない・・・・・)

親戚・縁者にまで宣伝しまくり、さらに全然知らない人から「明日、楽しみにしています」、ってメールをもらったり、突然患者さんから「またコウモリですか?」って言われたり、あまり出なかったらどうしよう?と思っていました。

まあ、バラエティー番組ですのであんなものでしょう。
ご想像の通り、あの手の番組はいろいろ裏も表もあるようで、今回はいろいろ楽しませていただきました。
よく making of なんとか、というような映画制作の裏話のDVDとか番組がありますね、そのノリで今回の騒ぎをHPネタに戴きます。

でも、出演時間は結局何分だろう?予想よりずいぶん短いなあ。けっこう、長い間テレビカメラは回っていたんですけどねえ。また、電話でもけっこう長い間、谷先生と話していたけどそのあたりはほとんど流れていませんでしたね。

この日は仕事で向こうに駆けつけたのが夜の8時20分頃。収録は朝からしていたらしい。そのためもあるのかな。



発端

8月2日夜9時20分のメール

>朝日放送の・・・・・・・
>今、大阪の穴というページを見ているとオオゲジがぞろぞろいる千本鉱山の写真を見つけました。
>実は、『探偵!ナイトスクープ』という番組でオオゲジを探しています。
>ロケは明後日の8月4日の予定です。
>・・・・・・・・・・・
(一部省略)



なんで今頃欲しいの?

急いでいる、すぐ電話連絡を欲しい、というので連絡してみると番組で使うオオゲジを採集したい、ネットで検索をすると私の大阪の穴の画像がひっかかったが、そこに連れて行ってくれないか?、というのです。
いきなり連れて行けと言われても、実はあの穴は何度も挑戦し、さんざん探し回って苦労して見つけたけど、小さな穴でコウモリもおらず再調査の必要のない、いわゆる私が言う ”いい穴” なのです。場所もうろ覚え。

いろいろ聞くと、要するに向こうはオオゲジが2,3匹いればいいというような事を言ってます。穴はいくらでも知っているけど、そんなバラエティー番組で貴重なコウモリの生息地を教える、あるいは案内する訳にはいきません。だいいち、そういわれてみると最近(というか、この季節は)オオゲジに会った記憶がない。オオゲジにはほとんど用がないので記録も取っていないけど、やっぱり冬に越冬のため集団で生息しているように思います。しかもロケが明後日?。コウモリ的に支障のない穴に連れて行ってもいなかったらどうする?。もちろん私に責任はないでしょうが番組にならないのでは?

ああだこうだ考えるより、気になっていたコウモリ穴があったので、「オオゲジの1匹ぐらいならなんとかします。明後日までに病院に取りに来て下さい。」って、電話を切ってしまいました。



真夜中のコウモリ

で、夜の10時からコウモリ!(→週末の院長 8月2日へ) 現地へ着いたのは夜中の11時過ぎ。
夜中の穴は恐ろしいですよ。穴の中の暗さは同じはずなんですが。出口が近づいても明るくならないからかなあ。
一ヶ所でダメなら穴のハシゴも考えましたが、少ないながらもいくつか採集できたのでこの日はそれでお終いにしました。コウモリ的には成果があったので、まあ良いとしましょう。

いくつかは、いました。 テレビ初出演!(予定)の子

何とかいくつかは採取できたこと、他に行ってもあの画像のようなオオゲジだらけの穴は、今の季節は期待できないことをお教えし、本日はそれで終わりました。

ついで翌日、やっぱり数が少なくてインパクトが少ないような気がしてお昼休みに再採集。前日以上に少なかった。



結局出演?

8月3日も電話でやりとり。
だいぶん話が見えてきました。および、むこうもシナリオを作っているようです。
最初はオオゲジだけ提供して終わりと思っていました。

これが依頼の元になった写真です。間違いないか、確認のため添付ファイルで送ってもらいました。著作権があるので勝手に利用するとかなりまずい。怒られたら削除しよう。
よくある、謎の生き物ということでこれをめぐっていろんな専門家が意見を言い合う、ということです。私に依頼があった時点では当然わかっていた訳です。スタッフで解決したのか、実際それなりの専門家に聞いたのかはわかりません。
穴へ行っての取材はしない、すべて依頼者宅で撮影、とのことでした。

依頼者宅を聞くと春日山。なんや、そんなところならオオゲジがたまたま出てきたのではなく、オオゲジの住処の片隅を借りて家を建てているようなもの、私に頼まないでも家の前の溝蓋をあげればいっぱいくっついてるんとちゃうの?と思いました。



筋書き

で、シナリオは放送の通りです。(当たり前ですね。)
オオゲジであると専門家が断定して、私にオオゲジの採集を依頼するということになりました。従ってその専門家なる人と私は旧知の仲、私が穴に入っているのをよく知っていて、採集をすぐに頼める相手でなくてはいけません。
事前にスタッフから電話で、「採集の依頼の電話をしまーす。お互いお友達ですからねー、そのつもりで電話を受けて下さいねー、これまでの経過や依頼はすべて忘れて下さいねー、これが最初のコンタクトですよー」、て言われました。まあテレビというのはこんなもん、と思いつつ参考までにその専門家という人の名前を聞くと、なんや、よく知っている先生でした。テレビの通り、声の大きなにぎやかな谷先生。お互い、意識するなって言っても急に役者になれる訳でもなし、なんやら緊張しながら変な会話をしていました。(このあたり、すべてカットされていましたね。忙しい、夕方の時間に延々と10分近く電話していたのに。)



で、現場へ

ロケの4日は勤務医が休みで、夜7時まで仕事場を抜けることが出来ません。採集したオオゲジがないと番組にはなりません。仕事が終わってからオオゲジを抱えて奈良へ。ご存知の通り、春日山は高速を降りてからもちょっと距離があります。皆様を待たせると悪いし、結構焦って走っていきました。

えらいところまで連れてこられて・・・・・ 取材風景、腕を歩かせている。

シナリオでは電話依頼があって採集に行くという順番なので、いかにも今取ってきました、という雰囲気を出すためにいつもの制服、つなぎに依頼者宅前で着替えました。この日は雨で、夜の雨の中を、依頼者宅の前の道路でつなぎに着替え。いったい、何をやってるんだろう?
で、家に入る前にもスタッフといろいろ打ち合わせがあったりして撮影に入り、その後はテレビの通り。

帰る時にオオゲジを忘れて帰る、あるいはフタを忘れてひっくり返すなどの演出も考えたけど、そういうのは素人考えらしくそんな場面はありませんでした。いまでもひっくり返したら家中パニックになっておもしろかったのになあ、と思っています。勝手にすればよかった。とりあえず1匹逃がして家中を走らせて依頼者が逃げ回る映像も取りましたが、それも一切ありませんでしたね。

何時から撮影していたのかは聞きそびれました。なんだかんだ向こうの言われるままにしゃべり、撮影していると、はいこれでお終い、になり、時間も遅かったのでそのままはいサヨナラ、でした。寛平さんと記念撮影するべくカメラからビデオまで持って行ってたのに1枚も取りませんでした。
放送の最後の最後でちらっと寛平さんが丸1日時間がかかった、てな事をおっしゃっていたので、やっぱり朝から晩まで取材され、私の到着を心待ちにされていたのでは?
ちなみに、依頼者が白浜に行っておられてのはやらせではなく実際の話だったそうです。それこそ、家の裏山で隠れていた、というのではなかったらしい。おそらく事前に打ち合わせはあったでしょうから、留守と知っていながらその日を選んだのは演出だったかもしれません。



おまけ

テレビに出るのは2002年8月のNHKに次いで2度目。NHKさんもHPから来られました。
こちらは町の話題とはいえ、いわば報道番組なのできっちりした取材で、当然いわゆるやらせもなく、ほとんど普通に調査し、その風景を撮っておられました。病院での取材では、診療風景といってもうちの犬を出演させたのでこの部分はちょっとだけやらせっぽい、といえなくもないけど、違和感はありませんでした。

ずっと前には伸助の人間マンダラという番組でオオサンショウウオの取材を受けたことがあります。能勢の自然を調べると設定でした。この時、番組出演者の土建屋何とかさん、なんとかいうお姉ちゃん、七井さんが来られていましたが、こっちが挨拶しても七井さん以外は知らん顔。撮影に入ったとたん愛想がよくなって、こちらが見つけたオオサンショウウオを撮影、取材し、川でのバカ騒ぎを撮影してさっさと帰っていきました。帰る時も七井さんだけが私たち全員に挨拶されていたのをよく覚えています。



さらにおまけ

探偵ナイトスクープから取材協力費が出るそうです。昔は予算がなかったけどこの頃は出るとか。お話しでは・万円。コウモリの翼帯が600個ぐらい買えるかなあ。助かります。そんなお金はいらんから探偵手帳をちょうだい、って言ったけどまだ返事はもらっていません。私的にはオオゲジがいなければ番組はほとんど成り立たなかったわけで、そのために真夜中に採集に行ったり、探偵手帳分の活躍はしたと思ってますが。

毎日小学生新聞さんからもずいぶん原稿料を戴きました。翼帯1000個分ぐらいです。ありがとうございました。

NHKさんはシェーファーの万年筆。NHKマーク入り。高そうなものでした。

ついでにいえば、オオシロハラミズナギドリの朝日新聞さん。写真を提供しているので図書券を送る、って連絡を頂きました。

どれもこれもこちらから売り込んだわけではなく、HPを通じての取材です。
すごい世の中になったもんです。写真すら画質を落とすことなくやりとりできるんですから。



おしまいの ん

ということで一応ナイトスクープ騒ぎは幕を閉じた、のでした。
どうもみなさま、たいへんお騒がせしました。
HPのご愛読、たいへんありがとうございました。