探検の殿堂
西堀栄三郎記念館
                 


     2006年1月9日(成人の日)



ご存じの方はご存じの通り、西堀さんは第1次南極越冬隊隊長です。高校生の時に「南極越冬記」を読んですごく感激しました。
また、映画、南極物語が作られた頃に、1次越冬隊の北村さんも本を出しておられます。(映画との関連はよく知りませんが。)
以前から気になっていましたが、この記念館のある八日市で、今日、新成人を祝う凧揚げがあるというのを見つけ、何にも予定がないので急に思い立って行くことにしました。

げげ、片道1890円!これやったら18切符、もしくはおでかけなんとか切符(2000円で乗り放題、ただし草津(やったかな?)まで)向けやなあ。どっちも急で間に合わんかった。

近江八幡から八日市までは3セクの近江鉄道。え!?、数駅乗るだけで400円!。幸いというか何というか、今日は乗り放題550円切符の日だそうで、往復を考えるとこの方が特。


わざわざこの日にしたのはこのため。八日市は大凧で有名です。成人式の日に20畳の大きさの凧を揚げるのが年中行事になっているそうです。ちなみに最大は240畳とか。
きれいなお姉ちゃん(あるいはきれいな着物と言うべきか)と記念撮影。テレビ局の取材もいくつか来ていました。


晴れたのは良いけど風が全くありません。一応、ロープを引っ張れば数mは上昇しましたが、残念ながら凧揚げと呼べる状態にはなりませんでした。

ひょっとしたらこれがけちの付き始め?先に言っておくと、今日はこれから踏んだり蹴ったり。(踏まれたり蹴られたり?)


駅に着けば記念館のことはわかるだろうと思っていたのに、何も書いていません。どのバスに乗るのかもうろ覚えだし、聞く相手(観光案内所みたいなもの)もいません。最初に方向違いの凧揚げを見に行き、駅に戻るのも面倒で前日に急いで打ち出した地図を片手に歩き出しました。この地図、記念館の位置が書いてありません。が、中央にマークがあり、(私が)記念館の位置を打ち出したものと信じていました。
事前に調べたところでは5kmぐらいなので、歩けないこともないなあと漠然と考えていました。そっち方面へ歩き出し、途中でバスの時間が合えば乗るつもりをしていました。
で、かなり歩いてバス停を見つけ時間を見ると、10分前に出たところ。次のバスは?え?4時間後!12時45分の次が16時何分か。

後で考えるとこの探検の殿堂は、駅から探検が始まるんですねえ。除雪されていない歩道の雪を踏みしめながら、場所によってはアイスバーン状の道をただひたすら歩いていきました。

この、「うそ」付近まで来てもそんな雰囲気や案内がありません。おかしいなあと思い、ガソリンスタンドで聞くとそこからさらに1kmほど。道案内を聞いていると、たまたま給油に来ていたおっちゃんが、「そんなん、歩かれへんで、送ったろ」
、と、天使のようなお言葉。本日唯一の収穫でした。八日市の方はみんな親切です。


何とか到着。駐車場にはほとんど車はなく、人っ子一人いません。こういう公的施設は月曜休みが多い。普通は祝日は営業し、翌日休館が多いけど田舎なんで祝日でも月曜は絶対休む?ヒヤヒヤしながら入り口まで行くと幸い開館していました。ほっ。
公式HPはこちら

帰りにパンフレットを見ると撮影禁止の表示。知らんかった。カメラをぶら下げていたけど注意されなかったで。「お断りします」、と、「かたくお断りします」、ではちょっと違うのかな?。ということで、撮影禁止の映像がいくつか出てきます。幻ですので、なるべく見ないで下さい。


学生の時にアインシュタイン博士を案内されたそうです。
右はパスポート。


実物を展示してるはずだけど確認するのを忘れました。(でも、そのことはどこにも書いてなかった。別の場所?)


ここは撮影OK。南極体験とかで、零下25度だそうです。ブリザードも体験、ということで時々風が強く吹き出します。


あとで思うと、この時ここに入っていたのは私だけだったし、囓れば良かった。でも、当然、カメラで監視してるんでしょうね。


越冬中の写真が何枚かありました。今でもこれを見ると、「南極越冬記」の記載をいろいろ思い出します。


2階には日本の探検家50人の絵画(肖像画みたいなもの)と簡単な解説がありました。映像も流れていましたが20分ほどのが2本立てで、全部見る元気はありませんでした。また、解説を読んでも忘れるのは目に見えているし、興味のある人、数名だけ流し読みしていました。絵を並べられてもあんまり興味はわきません。

よく言えば非常にこぢんまりしている、悪く言うと小さすぎます。売り物の南極体験も、こんな寒さは博物館の冷凍庫で何回も経験しているし(博物館はマイナス30度、こっちは25度やったかな?)、ブリザードは北海道で何回も会っています。この探検館は夏に体験するべきものらしい。
展示も狭すぎて、写真と遺品をいくつか並べているだけ。西堀さんの業績、人となりを表現するには至っていません。
これだけの時間を費やすなら「南極越冬記」を読み直す方がずっとずっと有益だったなあ。まあ、来て初めてわかることでしたが。


で、帰ろうとするとやっぱりバスがない!見終わったのが2時過ぎ、次のバスは4時。もういいや。適当に歩いて帰ろう。タクシーでも来ればバス代が浮いたし、タクシー代ぐらい奮発するか。ある程度歩けば別の路線バスがあるかもしれない、という希望的観測。
再び雪の上をただひたすら歩きました。タクシーなんて1台も通りません。景色も単調で何にもありません。

疲れ果てました。10kmは歩いたでしょう。まさに探検の殿堂、でした。
気合いを入れて歩いたので体の節々が痛む。

帰りに、せっかくの連休なのに行けなかったUSJに寄って食事でも、と思い、妻と現地で待ち合わせることにしました。
え!?、行ってびっくり。営業時間は7時まで。休日なのに?。合流したのが6時過ぎ(妻は妻で道を間違ったらしい。これだけ通っているのにねえ)で、その時点ではレストランは軒並みオーダーストップ。仕方ないので久しぶりにスパイダーマンと思うと、さっきまで動いていたのに突然システムダウンで運休。やることなすこと裏目裏目。あほらしいので結局そのまま素直に帰ってきました。

展示が300円、冷凍庫は400円。まあ、判断が難しいところ。真夏に行けばええかな。元北海道の住民とすればこんなん、子供だまし。特に私の住宅は毎日南極の昭和基地もどきでしたので。