名古屋港水族館・南極観測船 ふじ        

        2007.8.23


ある日の新聞に、ベルーガが赤ん坊を産んだ、とありました。特にそれに興味があったわけではありませんが、ぐぐってみると水族館と同じところに南極観測船ふじが係留されているといいます。どちらかというとこちらに惹かれて、近いうちに行ってみたいと思っていました。
トンネル通いも一通り終わってしまい、「通常のコウモリ」モードですが、無人カメラも原稿を書いてからは山から引き上げており、しばらくお休みです。私の休日である木曜日を使って行ってみようと思っていたところ、妻もついて来るというので前日に急遽行く予定を立てました。

前日から雷と豪雨。まあ、涼しくなっていいやと思っていたら、今日もすごい雨。これでは駅へ行くまでにびしょびしょ、と思っていたら少し雨脚が弱くなりました。で、7時頃に出かけると再びひどくなって、結局びしょびしょ。

時間を考えると新幹線でしょうけど、近鉄がアーバンライナーなる特急電車を走らせていて、4枚綴りの回数券というのを売っています。二人で往復の勘定です。これで片道3150円となり、新幹線の半額くらい。時間は倍。まあ、用事がなければこれで十分。


トンネル調査で二日通った青山付近をあっという間に通り過ぎます。やっぱり特急は速い。鈍行ではここまでに2時間近くかかったのに。
なんだかんだで名古屋着。たぶん、名古屋は初めての町。といっても特にどこに寄るわけでもなく、すぐに地下鉄を使って名古屋港へ移動。そういえば、地下鉄の案内放送が中国語?韓国語?もあったのが新鮮な驚き。大阪ではせいぜい英語まで。

水族館の入場料が2000円。ふじは300円。さらに展望台と、海洋博物館という、聞くだけでおもしろくなさそうな施設の入場料が各300円。で、共通券が2400円。要するに、水族館とふじの合計2300円にあと100円足すと、2施設の600円が無料になると言うこと。100円をケチるかどうかさんざん迷ったあげく、まあ、また来ることもなかろうかと大散財して共通券を買いました。


水族館はやっぱり人気がありますねえ。人でいっぱいでした。
普通は、正面は大水槽に魚がいっぱいというパターンが多いけど、ここはイルカが泳いでいます。あとで知りましたが、この水族館は建物が二つあって、片一方(入り口側)はイルカがメインに、生態展示だけではなく骨格標本や化石まで並べた、博物館的な要素も取り入れた施設ということらしいです。で、もう片方が普通の水族館。

イルカショーは水槽も巨大なら、スクリーンも巨大なものを使ってテレビカメラで同時撮影、放映、時々スロー再生。種々の解説にも使い、さらに水中カメラも駆使した立派な施設。ショーがないときも何かを流しているらしい。とにかく、これだけ大きな水槽ははじめて見ました。白浜の、オルカの水槽みたいでした。(オルカは、いなくなって久しいですね。)



室内の骨格標本や剥製、模型は違った意味で興味深い。でも、水族館を目的に来た人の何割が解説を読んで理解しているのか、疑問に思うこともありますねえ。まあそれをいえば水族館スペースもテーマに沿ってそれなりに考えていろいろ展示し、解説もいっぱいありますけど、「わあ、きれいな魚」で終わってしまってじっくり解説を読んでくれるのかどうか。
私的にいえば、イルカを見ると砂場に埋めることを思い出し、魚を見る目は食べられるかどうかに偏っています。
で、なんだかんだで水族館は流れに乗っておしまい。



カブトガニの生きたのは、はじめて見たと思う。 こちらはシャコ貝。



尾のあるウミガメは珍しい。(♂、です。) 人工砂浜で産卵させているそうです。


ある意味、定番のペンギン。たぶん、抱卵しているのでは?


そういえばベルーガの親子も見てきましたが、特に騒ぐほどの感激もありませんでした。もちろんかわいいことはかわいかったです。
で、水族館は早足で見て回っておしまい。

ついで南極観測船「ふじ」。たぶん、子供の頃、大阪に来た時に見に行ったことがあるはずです。こういうのはあこがれですねえ。
順路に沿って船内を歩きます。やっぱり本物だけに感激します。広いなあと思ったり、何ヶ月も過ごすことを思うと、狭いと思ったり。

ヘリコプターまで展示されています。もう、使わないんでしょうか。なんか、もったいない。(って言えば、船そのものも何かに転用できるかもしれませんが。)



食堂に人がいてびっくりしたら、マネキンでした。よくできています。


部屋の格差には驚くというか、どうしてもそうなるのかと思ったりします。一般乗組員はまさに蚕棚ですねえ。
観測隊員は数名一室ながら机もあるし、部屋になっています。やっぱりお客様扱いなんでしょう。


空いたスペースに寝台を並べているだけです。幅も狭く、寝返りを打つと確実に落ちます。
これで何ヶ月というのは、つらいように思いますね。船乗りというのはこんなもんかなんでしょうか。


医務室です。レントゲンに無影燈、オートクレーブ、当然、そこそこの設備はあるみたいです。



第一次観測隊が使っていた雪上車には感激しました。ものすごく燃料が必要だったとか、故障ばっかりだったとか、それでも何週間の調査旅行に出かけたとか、西堀さんの本でさんざん読んでいました。どこかのナットが脱落して、代わりがないので水をぶっかけて凍らせてその代わりをした、何日か後に同じルートを戻ってナットをひらった、てな事が書かれていたのを思い出しました。
機械なんてアテにならないので犬ぞりを連れて行くべき、かといって探検ではないので主眼は観測にするべき、と言う事などを文部省(だったとおもう)に進言していたら、いつのまにか自分が越冬隊長になっていたとか。

西堀栄三郎記念館はこちら

これに西堀さんも乗っていた・・・・・・。 一番役に立った犬ぞり。






南極探検という事で、白瀬中尉の資料もいくつか展示されています。
血判状というものまでありましたが、本物なんでしょうか。というか、「レプリカ」なんて、作りようもないでしょう。こんな貴重なものをこういう形で展示していて、劣化の心配はしないでいいのでしょうか?
ちなみに、白瀬南極探検隊記念館というものが秋田県にあるようです。うーん、いつかは行きたい。



宗谷も小さな船だったんですねえ。開南丸は、当然さらに小さい。






屋外展示の雪上車。初期の越冬隊が使っていたもの(だったと思う)。これも雨ざらしで、劣化が心配です。


展望台なるところへ登ってきました。エレベーターでは7階となっていたように記憶しています。
3階に名古屋海洋博物館というものがあったのですが、なんやらよくわからない。思うに、世間でいう箱もの展示(使い方が間違っていたらごめんなさい)みたいなもので、お金が余ったからとりあえず何でも作っちゃえ、みたいな施設ではないでしょうか。じっくり見ればおもしろいのか、私に興味がないだけなのか。
おそらく(この展望台も)公共施設なんでしょうから、この程度のものなら無料開放してくれてもいいと思うけどなあ。その方がよほど人が入るし、目的に合致すると思うけど。もっとも、300円くらいなら払ってもいい?でもでも、展望台と合わせると600円。これは高すぎる。


帰りに駅の地下を少しうろついて晩ご飯でも、と思ったけど、これといった名物もなし。みそかつ、て書いていたカツを買って帰りましたが、普通のカツに普通のソースが付いていただけのような気がします。それなりのものは、それなりのところへ行かないと無いのかな。でも、食にあまり興味もないのでこれで十分です。