ヘビの骨格標本                   


    マムシ編     2005.8

    アオダイショウ編 2006.9

アオダイショウ
9月22日


アオダイショウを頂きました。そこそこ大きかったので再び骨格標本に挑戦しました。
とりあえず解剖。

冷凍物です。 ペニス。


精巣。 腎臓。


これからが苦労(といっても、何もしていないんですが)の始まり。とりあえずパイプスルーに浸けました。
何も起こりません。数日経ちました。何も起こりません。数日経ちました。液が真っ白になりましたが、本体は何も変化がありません。
何度か液を替えましたが筋肉が溶ける様子はありません。

禁断のKOH(水酸化カリ)に手を出しました。
最初は10粒ほどを入れました。何も起こりません。次は20粒入れました。ちょっと溶けたかな?まだまだ行けそう。25粒入れました。・・・・・・・・・。


今後のためにも、誰かに聞かれた時のためにもきっちりデータとして残しておけばいいものを、すべて適当に行き当たりばったりの思いつきでやってます。結局、液に1ヶ月近く浸かっていたことになります。パイプスルー、KOHなら、ほっていても腐らない、というのも収穫でしょうか。

で、あんまりかわらんのでもう引き上げてしまいました。
肋骨(肋間)の筋肉は何とか取れました。脊柱側の筋肉が透明のスジみたいになってなかなか取れません。尾の部分はさっぱり取れません。
もうあきらめて、適当なところで乾燥させることにしました。

見た感じでは肉が残りまくり。頭も骨には見えない・・・。


で、2日ほど乾燥させると、残っていた肉はどこかへ行ってしまいました。
これにて一件落着。

頭部もまあまあ、こんな感じでしょうか。胴体も遠目にはこんなもん。


肋骨の前の方は良い感じ。後ろは若干、膜が残る。




マムシ
2005年8月


知り合いの方からマムシを頂きました。
マムシはそうそう大きなヘビではありませんし、ホルマリンでおしまい、では能がないので骨格標本を作ってみました。
標本価値とすれば何にでも使える、とりあえずホルマリン、の方が博物館的には役に立つのでしょうが。

アオダイショウの幼蛇がマムシと間違われる事が多いが、こっちが本物。


例によってまず解剖。
ヘビの解剖はめったにないし、資料もないのでさっぱりわかりませんでした。
(というのは言い訳で、今から思うと昔に爬虫類の獣医学、ちゅう講義も受けたなあ。テキストがどこかにあったはず。)

ムカデが出てくる。 なんじゃ?これ。卵巣?。


卵胎生なので子宮?ペニスはなかった。


で、皮はそのまま乾かしました。ベルトにするには寸足らず。


で、本体の処理を悩む。
KOHで筋肉を透明化してアリザニンで染色、そのまま液浸標本が一般的かも知れませんが、以前作った事があるので、今回はパイプスルーで乾燥骨格標本を作ってみようと試みました。
パイプマンに浸けてしばらく放置しました。見ている限り何日経ってもあまり変化なし。
どうしようか迷いつつ、腐る事もなかったので、蒸発に気を付けながら時々液だけ変えていました。

7月28日、とりあえず浸ける。 8月4日。何も変わらんやん。


と、突然白いモロモロが発生。(ピンぼけですみません。)
いよいよやばそうなので引き上げてみました。あんまり、肉が溶けた!って喜ぶ感じでもありません。
水道を流しながら
肉を取りました、って言っても、腰椎の上の筋肉がひも状にちょっと取れたぐらい。肋骨の筋肉も取れたり残ったり。

8月15日。腐ったわけでもない。 白に白でよく見えませんね。すんません。


整形しながら、乾かしながら取れる肉は少し除去しました。
まあ、こんな所でしょうか?肋骨の開きが足りないのと間隔が一定ではなく、見た目が美しくないかな。

上顎の牙はよく見えますねえ。 肋骨の処理が結構面倒でした。


まあ、こんな所でしょうか。

今から思うと、小さいサイズはやっぱり染色液浸標本、大きなヘビで骨格標本の方がよかったかな。
でも、保存の事を考えると、こういうのを作ると場所を取るのであまり作りたくないのも本音。こんなん、飾るところもないしねえ。