きしわだ自然資料館         

2007年11月6日
                                   



きしわだ自然資料館というところで鉱物展をやっています。ここは、いわゆる自然史博物館、みたいなもの。印象的には鉱物屋さんが取り巻きに多いように思います。取り巻きという言葉は失礼かな。要するに小さな博物館なので、専門員やアドバイザーという形で民間の専門家が多数、行事や運営に関わっています。化石とか鉱物の専門家が多く、その行事も積極的にしているらしいです。
ちなみに、その道では非常に有名になった、「チリメンモンスター」(ちりめんじゃこに混じっているいろんな動物、プランクトン、幼生などを探し出すもの)はここが発祥です。

で、ブログに膀胱結石のことを書いたら、鉱物ではないけど生体が作った石、ということで標本を欲しいとおっしゃり、送ったところ、招待券を下さいました。招待券が無くっても興味があるなら弱小博物館を助けるために、有料で入館すればいいのにねえ。(ちなみに、招待は2名という事でした。スタッフ2名を連れて行ったので、1名分はちゃんと払っています。)

まず、鉱物展の見学。高校の「地学」を思い出します。
いろんな石と、聞いたことがあるような名前。好きな人は好きなんでしょうけど、ふーーん、きれいだなあ、で終わってしまいます。


やっぱり、じっくり見てしまうのは宝石や金。こんなのがいっぱい採れればおもしろいでしょうねえ。


生体が作った石、ということで展示されていました。
右のが、「膀胱結石」。物置の片隅に転がっていた物です。お役にたてたようで、非常にうれしい。


鉱物となると、やっぱり鉱山が絡みます。で、大阪では北摂に多い。私も、これらのほとんどの鉱山(廃坑)は調査しています。いくつかの廃坑にはコウモリが住んでいるので、コウモリ屋的には公開して欲しくないのですが。といっても、私がこれらの鉱山を知ったのは鉱物屋さんからなので、あまり大きな声では言えません。もっとも、鉱物屋さんは危険性を知っているので、穴があっても中には入らないそうです。


大阪石、というんだそうです。大阪で見つかった新鉱物、だとか。詳しくは、たとえばこちら
これを発見された大西さんという方にとある鉱山でお会いしたことが、私の大阪でのコウモリの始まりです。大西さんから膨大な資料を頂き、それを元に穴を捜しました。
この「大阪石」というのが見つかったのは、箕面スパーガーデンの近くにある、本当に小さな廃坑です。これ以外にも、珍しい鉱物が採れているらしいです。何かに発表されたとたん、日本中から鉱物愛好家が押しかけ、危険防止のためガーデン側はあわてて穴を閉鎖した、という話です。いまどうなっているのかはわかりません。

でも、いくら説明を読んで実物を見ても、ただの石にしか見えません。石の世界で、新発見、といわれても全くピンと来ません。


画質が悪くて読めませんね。すみません。何とか石というのがいっぱい並んでいました。
その道の人には、「違いがわかる」んでしょう。


恐縮です。


2階の展示部分です。市内で発見されたワニ(キシワダワニ)が自慢


こぢんまりしつつも、一応は博物館。市内の自然についての展示や解説が多く見られました。



で、3階。大きな声では言えませんが、この館での一押しの展示はここ。
実は、この自然資料館の始まりは、これらの剥製(らしい)です。市内在住の方が個人でコレクションされていたそうです。4000点とか書いていたっけ?これらを市に寄贈され、その展示施設を、というのが始まりだったというのを聞いたことがあります。

で、銀行か何かの施設を自然資料館に改装したとか。自然史系の博物館相当施設と考えると展示面積は非常に少ないし、実習室などの設備が(十分には)ありません。この近くにはなんとかという、市民会館(浪切ホールだっけ?)があります。それはそれは大きな、立派な施設です。大きな声では言えないけど、なんでこんな市にこんな大きなのが必要なの?って思うくらい。その何分の一かでも予算と土地をもらえれば、ここももっと発展するだろうに。
今日も小学校の団体さんが見学に来ていました。同じお金をかけるなら、市民向けの施設を作るならこっちの方にお金をかけるのが教育上も、本筋だと思うんですが。まあ、役所的には博物館なんて、作っておしまい、てな考えしかないんでしょうねえ。

さわれる剥製も、数体あります。
気持ちいいです。

これらがすべて個人所有だったとは驚きますね。今からはとても集められない動物も、いっぱいいます。これら以外にも、収蔵庫にはまだまだあります。各地の博物館に「巡業」する子も多いとか。
「とっくりを持ったタヌキ」とかの剥製もあったとか。さすがに、そういうのは展示されていません。




管理がいいのか、技術が良いのか、出来の悪い剥製はあまりありません。みんなすごく立派。


右:マングースとコブラ? まあ、こんなのはうそ臭い。






ということで、なにわのパラダイス見学、でした。
博物館的は施設は世の中に多いけど、これだけ剥製を集めた施設は多くないと思います。一見の価値が十分あります。