小さな骨の動物園       



INAX ギャラリー   2005.12



INAXギャラリーは美術や建築に限らず、いろんなジャンルの展示をしています。過去の展覧会、ちゅうところを読んでいるだけでも、おもしろそうなのが並んでいます。
今回は表記の通り、骨、を芸術的に捉えて展示しています。詳細は見ればわかる、と思います。解説書も販売されていますのでご参照ください。ネットでも簡単に購入できるようです。

標本は
・大阪市立自然史博物館(鳥全身骨格、哺乳類頭骨、ニシキヘビ、など)
・盛口満(魚頭骨、耳石、咽頭歯、など)
・すぎもっち(魚全身骨格、など)
・安田守(豚足、など)
・自由の森学園(小動物全身骨格、など)
のが主体になっています。

展示が本職なだけに、照明や配置が繊細で、骨の魅力を最大に引き出しています。(って、宣伝の決まり文句、みたいなもの。)
強いてあまり解説は書きませんので、皆様、それぞれご自由にお楽しみください。

これから展示を見に行こうと思っているヒト、ネタバレみたいでごめんなさい。

こういう形で半身を残す発想はなかったなあ、というより、私の技術と根気では不可能に近い。





ありゃ?、見たことがあると思ったら私の寄贈標本。基本的に博物館では標本は組み立てない。これは私の初期の作品で、よく見ると頭もバラバラのを組み立てている。手足の処理も、まあ、そこそこ。昔の方が気力と根気があったなあ、と反省させられました。
博物館では骨格標本は基本的に組み立てないので、ギャラリーの方が標本を選ぶ時、これが目立ったのかな。


これらは自由の森学園の収蔵標本。左はホンドリス、だそうです。

盛口さんの標本群。なんでもあるんやねえ。

左はヘビ、右はカメの頭骨。

アカミミガメ、ではなく、アカウミガメ。

アミメニシキヘビだそうです。

各種アホウドリの標本、だそうです。これは見事。


キーウィの標本があるのにも驚いた。天王寺動物園と関係あるのかなあ。
右はアメリカワシミミズク、でしたっけ。


舌骨の標本。舌骨がわかるヒトは通ですなあ。鳥ではわかりやすいので、必ず舌と一緒に取り出して保存していますが、哺乳類では特に小動物ではたいてい摘出しないで終わってしまいます。
右は陰茎骨。これも種によって非常に特徴的。


見ての通り、頸椎。
右はトラの頸椎と解説があったが、ご覧になってわかるとおり、第2頸椎と第3頸椎の左側の骨が溶けている。たぶん高齢で骨が変形したか、腫瘍でもあったのか。


キリンの頸椎。
右は第1頸椎群。もちろん種により特徴的。


並べ方がと照明が芸術的。


宝塚コレクションです。この2点は何度見ても興味深い。


以降は盛口さんの標本が続きます。

ということで、標本点数は少ないながらも、芸術的な展示でそれぞれ生きているように輝いています。
大阪、名古屋、東京と巡回しますのでぜひご覧くださいませ。