姫路散歩              



ウミガメの話が姫路水族館主催である、という案内がウミガメ協議会から来ました。同封されていたのが姫路水族館の招待券。
姫路水族館はウミガメで有名(最近はオオサンショウウオでも)です。飼育40周年記念の講演会、となっていました。なかなかきっかけがないと出かける気にならないのでこれを機に姫路見学を計画しました。

朝7時過ぎに病院へ。入院の子の治療をしてからお出かけ。
2000円で指定区間乗り降り自由という切符を用意しました。が、これは西明石まで。その先は別料金(580円)と言うことになります。姫路へ着いて差額をどうやって払うのか聞こうと思うと有人の改札口に誰もいない。どうしていいのかわからずうろうろしていると、後ろから団体さんが来てなんやしらんが一緒に出てしまいました。ええのかなあ。

姫路市立水族館
うたい文句は山の上の水族館。おっしゃるとおり、手柄山という小高い丘にあります。総合公園の一角にあるみたいです。
入って見渡すとすごく小さそうな感じ。利用料金が大人200円、子供30円。市営といえども、一般的に水族館というのは入館料が高いのが相場。手ごろな価格ですねえ。

入り口までが登りでしんどい。 ウミガメの水槽が並ぶ。

水が嫌いな魚、トビハゼ。 クエ、となんとかという掃除する魚。

ピンぼけですねえ、すんません。最高におもしろかった。毛糸をしょっている。

マアナゴ ミズクラゲ

菜食主義の魚たち。レタスにキュウリ。

ウミガメの剥製や解説。

アルビノのアカウミガメ

有名ですが展示自体はチョボチョボ。
資料はいっぱいそろっていました。

あとは郷土の魚やカエル類、昆虫類、は虫類の展示もありました。小さいなりに工夫を凝らした、手作り感のある水族館でした。海遊館みたいに見ている途中で疲れるような規模ではありませんし。
2代前の館長、内田先生はウミガメで有名な先生です。陰では公営の水族館を作って自分の研究をしていると悪口も言われていたとか。でもこれだけ小さな水族館が目玉の動物もなく、お金もかけないで有名になっているんですからそれなりに先見の目はあったんでしょう。また、前館長の栃本先生はオオサンショウウオの研究で有名な方です。もっとも、これは私が大阪オオサンショウウオの会に入っているからこそ知っていることかもしれませんが。


姫路市立動物園
最初、ここは知りませんでした。水族館や講演会の会場を調べるうちに見つけました。完全にお城の敷地内です。

掘も動物園の一部に取り込んでいます。 どこもアオサギはおこぼれをねらうらしい。

チンパンジーの”檻”。

シロクマにオランウータンの”檻”。

いつ出来たのか知りませんが、全般的に施設が非常に古い。展示の仕方も明らかに一昔前の見せ物小屋です。チンパンジーがウンコをばらまくのは当然でしょう。オランウータンもこんな狭いところで一人で生活させることの意味がわかっているんでしょうか?ゾウもキリンもライオンもカバもいたけどみんな独り者だったように思います。
今はやりの環境展示がすべていいとも思いませんが、これからの時代は動物園動物が簡単に手に入る時代ではないはずです。”自給”するには繁殖させるしか方法はなく、そのための飼育をするべきでしょうけど、この環境で(しかも一人で!)子供を増やせる可能性は無いと思います。
市立でお金のかかる水族館、動物園の二つを持つことはたいへんな負担だとは思いますが、水族館が小さいなりに工夫を凝らせて”普通の動物”で特徴を出しているのに比べて、動物園の主張が何も感じられなかったのは非常に残念です。それなりにいろんな動物がいましたが、檻ばっかりでうまく写真が撮れないので掲載できませんでした。


場所がいいんですから(なんせ、世界遺産の姫路城内)それを生かした展示ってないんですかねえ。むしろ動物を減らして無料化し、鳥なら鳥だけ展示する方がいいんじゃないでしょうか?トラ、ライオン、ゾウ、キリンなどの動物園の代表選手を狭い敷地に並べ立てるよりよほどいいと思うけど。

剥製の出来は悪くありませんでした。ウォンバットがいたらしい。見たかった。

こんなん、世界遺産にも動物園にもいりませんで。おっさん、ひまそう。



姫路城
講演会は1時から。最初はとても3カ所を回れるとは思わなかったけど、動物園が案外あっさりと終わってしまったのでついでに行ってみました。
土足禁止のお城で入り口で靴を脱ぎます。靴をぶら下げて順路に沿ってぐるぐる回りながら登っていきます。もちろん展示もそこそこ並んでいますが多くはありませんでした。
基本的に大昔のままなので階段は急ですし、それなりに雰囲気が残っています。ここにお侍さんが何百人もいたと思うと感慨深いですなあ。

撮影禁止とは書いてなかったんですが、誰もフラッシュを焚いていなかったのでナイトショットで撮影。

まあ、おもしろかったです。600円、でした。秋期特別公開とかで普段入れない部屋もいくつか公開していたみたいです。
厠の公開、というのがありました。前を歩いてたおばちゃんは、こんなん、うちの田舎は今でもこれやでえ、ってしゃべってました。


で、1時からは肝心の講演会。
内容は多岐にわたっててとても書けません。交通費何千円かと1日をつぶして来た甲斐は十分ありました。
まだまだ、わからんことだらけ、って事みたいでした。アカウミガメの生息地はアジアでは日本だけなんですねえ。知らなかった。その産卵地はどこでも砂浜の減少で危機的状態。防波堤とか海砂の採取だけで説明できるものではなく、河川上流のダムが砂の供給を止めているとか。ウミガメの保護はそこまでつながっていくんですねえ。