九州サファリ・門司港・安佐動物園  


2009年3月19−21日





珍しく、3連休をもらえました。18切符でなんとか別府まで行けそうですので、前から気になってた、大分のサファリパークを計画しました。


例によって、例のごとく、始発の電車です。4時44分、だったか。
先頭車両は、結構混んでいます。天王寺に着くとすぐに環状線の電車が出るのをご存知で、みんな走って行きます。別に急がないけど、私もつられて走ってしまいます。

この電車、この路線はすでに何回も乗っているので、あまり新鮮味がありません。とにかく、遠い。また、へんに接続が良いので、乗り継ぎの旅で、駅でのんびり次の電車を待ったり、ホームのうどんを食べるというのも出来ません。


あっちに乗れば、あっという間に九州なんですけどねえ。




下関までは来たことがあるのですが、そこから先は未知の世界。高校の修学旅行だったかで九州に来たことがありますが、ほとんど覚えていません。


九州の駅には、駅名の看板に絵が付いています。全ての駅に着いていたのかなあ。




中津は、福沢さんの故郷だそうです。


順調に乗り継いできたのに、最後の最後で接続がありません。USA(アメリカじゃありません、うさ、宇佐です)で、1時間30分待ちだったかな。あと、駅の数で10ほどなんですが。
今度こそ、途中下車の旅で駅付近を楽しもうと思ったら、まったく何もありません。この駅、特急も止まるんですがねえ。特急ならすぐに別府まで行けます。これに乗れって言ってるようなもんです。コンビニで弁当と思ってもコンビニも無し。少し歩くと、ファミレスがあったので、そこで食事しました。



やっと到着。とにかく、遠かった。
4時30分に乗り始め、到着は夜の10時30分。みんな、どんな用事で乗ってるのかは知りませんが、案外込んでいる始発に始まり、神戸あたりでは大阪方面へ出稼ぎ、じゃない、仕事に行く人を眺め、ついで学校へ行く高校生と一緒になり、田舎では中学生も電車通学しているのに驚き、時間の経過とともに、今度は下校する学生と一緒に乗車してました。田舎に来ると高校生あたりの格好や顔が、なんか無理をしているけどやっぱり田舎臭いのにほほえむというか、安心するというか、こういう旅行で一番おもしろいのは高校生あたりの会話と、逆にかなり高齢のおばあちゃんの会話ですね。


宿泊は、温泉付き、一泊1600円というところ。驚異的?その名は、駅前高等温泉といい、何が高等なのかはわかりませんが、高等湯と普通湯があり、それぞれ300円と100円。24時間営業。高等の方は入ったけど、普通の方は入らず、というか、どこにあるのかわかりませんでした。温泉なんでしょうけど、普通のお湯に感じました。

宿泊は合宿か、修学旅行みたいなもので、風呂屋の2階の広間で寝るようなものです。12時の時点で3名だったのが、真夜中に何人か来た雰囲気で、朝に起きると7,8人寝ていました。それなりに有名なんでしょうか?
外泊するといつも眠れないし、まあ屋根さえあれば良いと思ってここを選びましたが、隣のおっさんのいびきがうるさくって、よけいにいらいらして眠れませんでした。ちなみに、私も(父親譲りか?)いびきがうるさい、って、よく妻に言われているんですけど。


翌朝は6時過ぎに起きて、近くを散歩。といっても、行く所もなく無く、町をさまようだけ。別府では高崎山も有名ですが、少し離れています。まあ、ここまで来てニホンザルを見ても仕方ないし。

駅前の像です。なんやら、不思議なおっさん。解説を読むと、ここを世界的に有名な温泉地にした人だそうです。地獄湯の考案者で、美人バスガイドもこの人の考案だとか。


ちょっと見にくいけど、マントの内側にも子供が入っています。理由はわかりません。


で、バスの時間が来たので、やっと主目的のサファリ行きです。
山に向かってかなり走ります。途中で、何とか地獄というのがいくつかあります。要するに、温泉が自噴していて、それらをそう呼んでいるんでしょう。観光案内に、地獄回りというのがありましたが、有料ですし、あんまり興味も無いのでパス。バスから、あちこちで煙(蒸気?)が噴出しているのを見て納得。観光したことにしておきます。


というこで、サファリに到着。着いてすぐにバスに乗ります。ここも、動物に餌を与えるのがメインイベント。他と同じように、ハサミみたいなので与えます。何回も経験していますが、やっぱりおもしろい。餌は4,5種類ありました。
与える動物も、ほとんど一緒。クマに、ライオン、草食動物、キリン、ゾウ、てなところだったか。

まあ、どこも同じような装飾です。タイヤも、かじられないように重装備。






エサを与えない、展示だけの動物は、あまり多くないようです。また、敷地が広すぎて、はるか向こうの方に動物が走っているだけ、というのもありました。動物にとっては良いことなんでしょうけど。
バスの運転手の解説も、どこに何がいるとか、何を与えてください程度で、あまり詳しい解説はありませんでした。



1時間弱でバスは終わり、今度は歩いて動物を見るコース。これがまた、しょぼい。
おもしろかったのはカンガルーくらいかなあ。結構人馴れしていて、触り放題。

餌(100円でサツマイモの細切り4本)を与えると、手に持って食べるのがすごくかわいい。で、最初の一口をモグモグしていると、手に残っているのを別の子に取られるんですねえ。知恵が無いのか、やさしいのか、お互い様で気にしないのか。



その他はリスザルや、ヒツジ、ヤギなど、ごくごく普通の動物ばっかり。まあ、定番でそれなりにかわいいのですが、これらも種類は少なく、すぐに飽きてしまいます。ふれあいコーナーでは、ウサギに犬にモルモット、などなど。仕事でいつも見ているし、特にここまで来て見ないでも・・・・・。世界のネコ、というのがあったけど、こっちは300円。どういう訳か、ヨソでも、ネコは有料というのが多いですね。

他のサファリでは、ウォーキングサファリと称して、草食動物コーナーは歩いて見られるようになっているところが多いのですが、ここはそれがありませんでした。

リスザルのふれあいコーナー、みたいなところ。こっちは、フィルムケースに入ったミルワームを、手から与えるようになっています。





最初の計画では、サファリが終わったら門司港まで戻って、ここで一泊して、翌朝、門司港の散策と関門海峡を歩いて渡る、というのを考えていました。前回下関まで来たのに、遅すぎて海底トンネルが閉まっていて歩けなかったのが心残りだったのです。

サファリが早く終わったので、門司港には4時過ぎに着きました。「門司港レトロ」というのが大阪でも宣伝されていて、行きたいなあと思っていました。行ってみると、観光客も、すごくいっぱい。人力車の兄ちゃんがすぐに寄ってきます。ちょっと、やりすぎ?









こういう古い建物は私も好きですけど、ざっとみて写真に撮ってしまうと、もう用はありません。ゆっくり街を探索、というのも趣味じゃないし、ガラに合っていません。観光客もすごく多い。この時間なら、余裕でトンネルまで行けます。で、いつもみたいに早足で汗をかきながら、トンネルへ行きました。



(右)誰もが、写真に撮る場所でしょう。


自転車は、押して通るように書かれています。で、実際、誰も乗って通ったりしていません。みなさん、真面目ですねえ。大阪じゃ、見てなければみんな乗って走るんじゃないでしょうか?


下関側から、門司港を振り返ります。矢印が、下関側の建物です。




ここから下関駅まで歩きます。けっこう、距離があります。

下関側にも古い建物はいくつか残っているのですが、宣伝効果か、自治体の取り組み方の違いか、あまり観光地という感じはありません。





世界一、って、よその国じゃふぐ(ふく)なんて食べないので、当然といえば当然でしょう。


さて、門司港も関門トンネルも、一通り歩いて見るだけなのですぐに終わってしまいました。出かける前の予定は門司港泊、次に考えたのは下関泊。一泊して、水族館へでも行く?

駅で時刻表をめくると、山陰方面の電車がもうすぐ出ます。3本乗り継ぐと、益田というところで電車が無くなり、翌朝、始発でもう一度スタートすると夕方に大阪へ着きます。こっちを乗れば、いわば西日本をぐるっと回ったことになります。いい案か、と思って一駅乗ったけど、またまた気が変わりました。そもそも、それほどの鉄ちゃん(鉄道マニアをこう呼ぶらしい)ということでもないしなあ。一周乗ったからどうなるもんでもない、今から乗っても暗いだけで景色を楽しめるわけじゃなし。
で、もう一度、時刻表をこねくり回していると、広島まで戻れることがわかりました。広島というと、安佐動物園があります。こっちのほうがおもしろそう。

山陽本線に乗ると、新幹線が並行して走っているので主要駅に着くたびに、「新幹線新大阪方面は何時発で、何番線にお乗換え下さい」って、案内があります。あー、あっちに乗れば、今晩は家で寝られるんだなあ、って、思わず誘惑に負けそうになります。

広島駅着は11時過ぎ。広島というのは、カープ一色ですね。


広島に着いたのはいいけど、さて、どうしましょう。今回も駅宿?とりあえず駅でボー、っとしていましたが、最終電車までは人がいっぱいいたのに、駅のシャッターが下りると一気に人が消えてしまいました。みんな、どこへ消えたんでしょう?さすがにちょっと気持ち悪いので、駅のそばにあったインターネットカフェなる所へいきました。新聞なんかで時々読んではいたけど、どんなところかは経験したことがありません。
個室で8時間1800円。個室といっても、区切りがあって、リクライニングシートがあるだけ。覗くでもなく、他の人のブースのコンピューター画面が目に入りますが、寝ている人のほうが多いかも。あちこちでイビキも聞こえますし。

今夜の「宿」は、1890円。


実は、門司での宿泊も、駅宿か、インターネットカフェを考えていました。で、ネットカフェでも、どうせ寝られないだろうからと、HPビルダーを持参していました。ネットで調べると、インストールできるようなことを書いていましたので、試しにと思って。
で、やってみると普通にインストールでき、(もちろん、再起動をかけるとすべて消えます)ここまでは20日の夜に書きました。

本当はメールのチェックも目的でしたが、こっちはソフトが入っていないので無理でした。WEBメールは可能なようでしたが、そっちのアドレスは持っていないのでチェックできず。3日間もメール環境から離れるというのは、最近には無いことです。

翌朝、安佐動物園へ移動開始です。広島市立といっても、かなり山の中にあるようです。電車にモノレール(?)にバスを乗り継いで行きます。1時間弱はかかるようです。


やっと、動物園に到着です。非常にシンプルな入り口です。いかにも役所的というか、看板を探しましたが、これが一つあるだけ。切符は自動販売機じゃなく、手売りです。人件費云々という話が出ないのかな。
開園は9時からということで、9時前に4,50人は並んでいましたが、切符を売るのもきっちり9時からでした。USJなどでは、人が多くなれば早めに開園するんですけど。


後は特に書くこともないので、画像を羅列します。動物名などは、各自、ご想像下さい。

入り口正面にサル山。入園時間に合わせて室内飼育場から出しているみたいです。山の上からぞろぞろ出てきたのにびっくりして、写真は取り忘れました。入っているのはニホンザルじゃなく、「ヒヒ」です。



広い。



なぜ野球のバットがあるかというと、






(右)ちょっと読みにくいですね。少ないと隠れる、少し増やすとけんかばっり、もっと増やすとケンカが無くなった、そうです。


安佐動物園は、オオサンショウウオで有名です。日本で初めて繁殖に成功し、現在では3代目も生まれているとか。
園内の人工河川です。数頭放しているということでしたが、さすがに昼間は隠れていて、見つけにくいです。



別の部屋で飼育されている個体です。
(左)1989年生まれの子が繁殖して、生後何年で繁殖できるかがわかった、んだったかな。ただ、飼育下と自然状態では条件も違うでしょうが。

(右)2007年10月、飼育下3代目の幼生だそうです。自然下でこのサイズの子を見つけるのは至難の業(というか、見つけたことがない)です。




左の、土管のようなものが人工巣穴と呼ばれるものです。あちこちの自治体が、これをまねて河川改修の時に作っているようです。



園内の、学習室のようなところに展示されていたオオサンショウウオです。




動物園に入るとき、入り口に「バックヤードツアー」参加者募集の券が置いてありました。本日は、ゾウ舎の裏方見学だそうです。
参加すると、飼育係のおっちゃんが広島弁で案内してくれました。


(左)オスゾウの室内です。作業中にハナでイタズラされぬよう、隙間がないように作ってあります。
(右)メスのゾウの部屋だそうです。






夜行動物舎に、オヒキコウモリが展示されていました。そういえば、コウモリの会が広島でこのコウモリの観察会をしたことがあり、参加したことがあります。日帰りで行ったんだったか、夕方の出巣観察はよく覚えているけど、それ以外のことは記憶にありません。


モグラの展示です。金網で通路と水飲み場、エサ場を作ってあります。



リクガメ類も、ごろごろいます。密輸入で所有放棄された子らが、動物園に回ってきてどこもリクガメがいっぱい、という話を聞いたことがあります。また、最近では飼育技術も進歩したらしく、よく繁殖しています。ここでも卵を入れた飼育ケースが並んでいました。



動物の誕生の秘密、みたいなところがありました。オオサンショウウオの産卵から始まって、ブタの受精卵の展示までありました。あるコーナーでは、鶏の孵化を見せていました。で、生まれたてのヒヨコがいくつか、いました。これは、どこかの動物園でも見たことがあります。



気になるのは、この子らのゆくえです。毎日孵化していると動物園中、鶏だらけになるはずです。子供動物園みたいなところでもヒヨコや鶏の展示はありませんし、常識的に考えると、動物のエサになるのでしょうか?そこまでしっかり説明し、納得させる展示ならすばらしいですけど、さすがにそうだったとしても正直には書けないでしょうね。


検卵を説明した展示もありました。スイッチを押すと、下から強力なライトを当てます。
(左)暖めはじめて5日目の卵だそうです。これはたぶん、生きていると思います。
(右)もっと日にちが経過した卵だったと思うけど、どう解釈して良いのか、わかりませんでした。


バードケージはジュウシマツだらけ。ハトも繁殖していて、それぞれの巣にカメラを仕掛けていて、ヒナ(のいる巣)をのぞけるような工夫もありました。




動物の種類数としては、あまり大きな動物園ではないかもしれません。敷地はかなり広そうです。富山の動物園でもそうでしたが、園内にハイキングコースがあるようです。野鳥の会が団体で、望遠鏡を担いで歩いていました。

一通り園内を見てから、「動物科学館」というところに入りました。骨格標本があったり、剥製(これはほとんど無かった)があったりするところです。非常に狭い部屋で、展示物も少ないようでした。子供が何かで遊んでいたけど、何の目的のものだったのか、忘れてしまいました。


(右)ホネホネ団でも何回か、キリンの骨格標本は作りましたが、こんなに凸凹だった記憶はありません。なんででしょう?


冬虫夏草の特別展示というのをやっていました。子供にはむつかしい展示のような気がしました。



結局、動物園には4時間ほどいたことになります。出かけるときには全く考えていなかった所へ行くことが出来て、非常に満足しました。逆に言うと、なんて計画性のない旅行なんでしょうか。優柔不断で決断が遅く、私にはこんな旅行がしょっちゅうです。

帰りのバスの中から「原爆ドーム」を見ました。これも、バスで通り過ぎただけで、観光した気分になります。

駅まで戻り、そこから、帰るための乗車が延々と続きます。何本かの普通電車を乗り継ぎましたが、これも後でチェックすると、長距離の快速電車があったようです。
姫路を過ぎたあたりから急に乗客が多くなり、普通の通勤電車のような感じになります。神戸まで来ると、いわゆる都会の雑踏に巻き込まれた感じになり、昨日、一昨日の、のんびりした田舎の普通電車が懐かしく感じられます。

旅行費用は、電車(一部は汽車というか、ディーゼル車)代が2300円×3日で6900円宿泊は二日で3500円ほど、食費はパンとおにぎりばっかりで5000円以内、お土産もチョロチョロで2,3千円、トータルでも2万円以内でしょう。
距離から計算すると、旅行費用は2万円くらいでしょうか。

前も書きましたが、旅行に行かなければ出費はゼロなわけで、まあ、そういってしまうと、おしまいです。
行きたかったサファリに行け、予定になかった動物園でオヒキコウモリとオオサンショウウオが見られたのは非常に満足でした。自宅に帰ったのは9時過ぎだったので、まだ3時間ほどはどこかに途中下車できたのかもしれません。
それにしても、いつも準備万端、綿密な計画(みたいなもの)をたてながら、実際は全くその通りになりません。
気ままな旅といえば聞こえがいいし、無計画、行き当たりばったりというのが本当のところでしょう。

まあ、2泊もする旅行は久しぶりです。それなりに楽しんできました。
とにかく、遠かった。